LIFESTYLE / TRAVEL

素朴な自然を愛するノルウェー王太子一家の夏休み。【ロイヤルファミリーのバカンス】

今月はヨーロッパのロイヤルファミリーのバカンスを特集。スウェーデン王室スペイン王室に続く第3回目は、ノルウェー王室の夏休み。ノルウェー南部の都市クリスチャンサンから、美しいフィヨルドに面した街フロムまで、自然に囲まれた王太子のファミリーフォトとともに、王太子妃のアクティブなサイクリングの旅を覗いてみよう。
ロイヤルファミリー揃ってのサマーフォト。

飾り気のない素朴な自然が王太子ファミリーを迎える。Photo: Reuters/Aflo

気さくで飾らない王太子一家の幸せいっぱいのスナップ写真。Photo: Reuters/Aflo

7月10日、毎年恒例のホーコン・マグヌス王太子一家のサマーホリデー写真が公開された。ノルウェー南部の都市・クリスチャンサンの近くに浮かぶドヴェルグソヤ島での休日の風景だ。ホーコン王太子と2001年に結婚したメッテ=マリット王太子妃にとって、クリスチャンサンは、懐かしい生まれ故郷でもある。今年15歳になり、大人の女性の美しさを増したイングリッド・アレクサンドラ王女と、すくすくと健康的な成長を見せる14歳の弟スヴェレ・マグヌス王子の姿も、夫妻とともに写っている。

ドヴェルグソヤ島は、南北1km、東西300mほどの小さな島で、観光船に乗って1時間半ほどで渡ることができる。島全体が公共のレクリエーションエリアになっていて、短い夏を楽しむ市民にとっては憩いの場だ。島内には夏の間だけ営業するカフェと素朴なカントリーハウス以外にはほとんど何もなく、自然を愛する王太子一家が心からリラックスできるリゾートだ。

“ワイガヤ”で陽気に楽しめる港町グルメ。

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クリスチャンサンは、ノルウェーの中でも最南端に位置する人口9万人ほどの町。国内外の都市と鉄道やフェリー、航空機で結ばれる交通の要所で、各地から集まるさまざまな人がワイワイ楽しめる店が大人気だ。「ホンドヴェルケルン レストラン&パブ」は、仲間とビリヤードやダーツをしたり、バンドの生演奏を聞きながら、豪快なステーキや新鮮な魚介のグリル料理が楽しめる、地元の人気店のひとつ。

一方、「ボルゲン&モイ クリスチャンサン」はイマドキのおしゃれなインテリアのレストラン。シェフ、トロンド・モイとソムリエ、トラルフ・ボルゲンが、1996年に首都オスロで始めた店が成功を納め、現在ではノルウェー各地に8つのレストラン、カフェを展開中だ。クリスチャンサン店は、港のドックに面したレストランで、港町情緒に浸りながら、モダンなシーフード料理が楽しめる。

ホンドヴェルケルン レストラン&パブ (Håndverkeren Restaurant & Pub)
Rådhusgaten 15, Øvre Torv, Kristiansand 4611, Norway
Tel./+47-38-04-02-00
https://www.facebook.com/handverkerenkristiansand/

ボルゲン&モイ クリスチャンサン (Bølgen & Moi Kristiansand)
Nodeviga 2, Kristiansand 4610, Norway
Tel./+47-38-17-83-00
https://www.bolgenogmoi.no/restaurant-kristiansand/

王太子妃の夏休みは山岳地帯のサイクリング。

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美しい山と渓谷に囲まれたサイクリングロード「ラーラルヴァエン」。Photo: Getty Images

メッテ=マリット王太子妃のサマーバカンス後半は自転車の旅。ノルウェー南部の山岳地帯のサイクリングロード「ラーラルヴァエン」を、王太子の姉のマッタ・ルイーセ王女と一緒に走る姿を自身のインスタグラムで紹介している。8月19日に46歳の誕生日を迎えたメッテ=マリット妃は、ロードバイクヘルメットにサングラス、ダウンジャケットというアクティブなファッションで登場した。

ラーラルヴァエンは、首都オスロと鉄道で結ばれた出発点、ハウガストルと、美しいフィヨルドに面した麓の町、フロムを結ぶ約80kmにわたるサイクリングロードだ。雪深い山岳地帯にあるため、7月から10月までの夏の間だけ開通する。高低差が1350mもあり、ほとんどが舗装されていない険しい山道だが、残雪をかぶった山々、ブルーの水を湛えた湖、清らかな水の渓流など、大自然の中を走る感動を求めてサイクリストたちが集まってくる。

ノルウェー最大のフィヨルドを望む歴史的なホテル。

客室からソグネ・フィヨルドの美しい景色を眺めることができる。

アンティーク家具が創業当時の雰囲気を伝える「ヒストリカルルーム」。

ラーラルヴァエンの終点にあたるフロムの町にあるホテル「フレトハイム ホテル」は、19世紀の末に開業した歴史あるホテル。ノルウェー最大のフィヨルド、ソグネ・フィヨルドで釣りを楽しむ英国紳士たちのために建てられた、農場内の小さなヴィラがルーツだ。温もりを感じる木の床にアンティーク家具が置かれた17室の「ヒストリックルーム」が、当時の雰囲気を色濃く残している。部屋に居ながらフィヨルドの絶景が楽しめる、バルコニー付きやガーデンアクセス可能な「フィヨルドビュー」の部屋もおすすめだ。

夏の間の滞在なら、アクティビティにはフィヨルドクルーズをセレクトして。ソグネ・フィヨルドの支流にあたり、ユネスコの世界遺産にも登録されたネーロイ・フィヨルドを、エコに配慮した最新クルーザーで巡るツアーだ。両岸の険しく切り立った崖、雪に覆われた山々、轟音を上げて落ちる滝といった壮大な大自然が体感できる。

フレトハイム ホテル (Fretheim Hotel)
5743 Flåm, Postboks 42, Norway
Tel./+47-57-63-63-00
料金/1室1泊2,090ノルウェー・クローネ〜(2019年8月現在)
https://fretheimhotel.no/

Text: Yuka Kumano