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何故だか人を愛せない ──待ち構える未来は孤独と寂しさなのか。【ジェーン・スーの恋愛相談箱  ポッドキャスト Vol.8】

『VOGUE JAPAN』がお届けする毎週木曜日更新のポッドキャスト。ジェーン・スーがゲストパーソナリティを務める今シーズン、8通目のお悩みは「愛し方」について。合わない人をどんどん拒絶していたら、気づけば一人になっていた ──。そうならないために、あるいはそうなってしまった場合にも。ジェーン・スーの心に沁みるアドバイスをチェックしよう。
Vol8. 友人と疎遠になってきた40代。これからどうやって周りの人を愛せばいい?


第八回目のお悩みは、特にこれまでシングルで生きてきた人々にとっては、多かれ少なかれ共感できるものかもしれない。

「人を本気で愛せなくなってきました。私は独身40歳です。最近、自分の生活スタイルや考えに少しでも合わない友人とは距離を置きがちになり、家族ですらも田舎の考えが合わず疎遠になってしまいました。昔から苦手だった父が癌になりましたが無事生還。でも、ひどいことに“死んでくれていたら今後の介護など考えなくて良いのに”と思ってしまったんです。

友人たちも続々と結婚するか、私と同じように我が強くなって付き合いづらくなってきてしまいました。彼氏も好きな人もいません。しかし今後の人生で誰も愛さないのは寂しいです。どうしたら周りの人を大事に思えるのでしょうか?」

ジェーン・スーが、まず最初にこの相談者に掛けた言葉は「よくぞ気が付きました」だ。

既婚か独身か、子どもがいるかいないか、働いているか否か。それは完全に個人の自由というのは大前提。ただ、同じ40代の女性としてジェーン・スーが感じるのは、働く母は往々にして“欲の手離れがいい”ということだ。

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例えば子どもが熱を出したとき。皆と食事をした後に二次会へと移動したかったとしても、自分の気持ちは一旦脇に置いて、子どもを優先することができる。そんな風に自分よりも大切な存在がいることが、欲を手放すことへと繋がっていく。

一方、自由に生きられるシングルの場合は、大人になるにつれて思い通りにいかないことが減っていく。ストレスがない状況に身を置くのがいいのは間違いない。だが嫌なことや気になるものをどんどん切っていくと、必然的に「自分の領土がどんどん狭くなっていく」危険性があることも忘れてはいけない。「最終的にアリゾナの広大な荒野に位置する山の頂上に一人でいる」ことにもなりかねない。

そんな状況を回避するための解決方法が、今回のポッドキャストには詰まっている。ジェーン・スーも今一番の課題としているという大切なアドバイスを、聞き逃さないでほしい。

Text: Airi Nakano