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共感してばかりで自分の考えを持てない私──どうすればいい?【名越康文のモヤモヤ解消アドバイス  ポッドキャスト Vol.10】

精神科医の名越康文をゲストに迎え、読者からのさまざま悩みに答えているVOGUEプレゼンツのポッドキャスト。今回の相談は、研究者の道を歩む23歳の学生から。良好なコミュニケーションを取るうえで“共感力”は大切だが、仕事や専門分野で「自分の考えを持つ」ために必要なこととは?

第10回目のお悩みは23歳、学生の方から。

「私は、どんな人の話を聞いてもだいたい共感してしまいます。『そういう考え方もあるよね、でも自分はこう思う』といった芯のある態度や考え方を持てず、いつも『言われてみたらそうかもしれない』『たしかにその通りかも…』と思ってしまいます。座談会などに参加しても、ただ『なるほど』と聞いているだけで、意見を述べたり、質問することができません。私は今、大学で研究をしていますが、このままだと自分から新しいアイディアを出せないのではないか、こんな性格で研究を続けられるのか、向いていないのかな、社会で役に立てるのかなと不安になってきました。どうしたら自分の考えを持てるようになるのでしょうか?」

名越康文は相談者にまず、「今はつらいかもしれないけれど、本質的なことを追究したいのであれば、気にする必要はない」と声をかける。「私はこれを研究したい!」と決めるまでは、広く知識や教養を深める“滋養”の期間だと思えば良い。一方で、本当に意味のある研究とはなにか、考えてみてほしいという。そこで名越先生が伝えたのが、「人気と評判なら評判を取れ」という師匠の言葉だ。

評判を得るには長い期間を要するが、頭の回転が速ければ人気は得られる。ちょっと機転の利いたことを言えば「優秀だ」ともてはやされ、人気になるかもしれない。だが評判は、一年あるいは数年経ってから「あの人は着実なことをしている」と評価されて、初めて手に入れることができるからだ。具体的なアドバイスは、ポッドキャストをチェックしよう。

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名越康文
精神科医。相愛大学、高野山大学客員教授。専門は、思春期精神医学、精神療法。臨床に携わる一方で、コメンテーター、映画評論などさまざまな分野で活躍。メールマガジンや動画チャンネル「シークレットトーク」も配信中。
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