LIFESTYLE / CULTURE & LIFE

日本の音楽シーンを変えるのは彼らだ! ジャンルもさまざまな注目の10組。

ヒップホップからオルタナロック、エレクトロetc……。ジャンルはさまざまだが、共通するのは、明らかにアイコニックな個性を放っているということ。すぐそこの未来が楽しみな10組の魅力を、本人のコメント付きでご紹介。さらに、アーティスト自ら推薦してくれた“ヴォーグ読者に聞いてほしい1曲”をまとめたスペシャルなSpotifyのプレイリストもチェックして。
Vaundy “今”にフィットした楽曲を生み出す現役大学生。

作詞、作曲、アレンジのみならず、アートワークや映像もセルフプロデュース。デザインを学ぶ20歳の現役大学生だ。ネオソウル、ヒップホップ、ロック、ダンス、Jポップ等、多様な音楽性を咀嚼し、リスナーのツボをおさえた今にフィットした楽曲を生む。代表曲「不可幸力」のミュージックビデオはYouTubeで3000万回再生を突破。「情報が増えて想像をする前に答えが見えてしまう世の中だからこそ、いちから想像することの楽しさを知ってもらいたい。音楽を通して僕が0から1を提供できたらいいですね」
オススメ曲 :「しわあわせ」

Black Boboi クリエイティビティあふれる異端のエレクトロ。

「3人の音から創造される色や、冷たさと温かさの中和で生まれる音像が、どこかSFファンタジーを想起させるものであると自らの音楽を形容するBlack Boboiは、2018年に結成されたエレクトロユニット。millennium paradeのメンバーでもあるermhoi、スティールパン奏者として活躍する小林うてな、ソロ、モデルとしても活動するJulia Shortreedという3人がメンバーで、オリエンタルでトランシーなグルーヴを放つ。「音楽を聴いて、現実から一瞬離れることはとても大切だと思う」
オススメ曲 :「Initialization」

yama 「春を告げる」が大ヒット。性別・年齢非公開の稀有な存在。

2020年4月にリリースされた初のオリジナル曲「春を告げる」が、TikTok上で瞬く間に拡散されたことから大ヒットを遂げる。ステイホーム期を象徴する楽曲のひとつになったことも記憶に新しい。2018年から歌い手として活動をはじめ、YouTubeに多数アップしていたカバー動画に注目が集まる。年齢、性別、出身地といった情報は非公開。ハスキーで中性的な歌声は非常に記号性が高い。「喜怒哀楽、yamaを聴いてくださる方々の感情に寄り添った音楽を届けられたらいいなと心がけています」
オススメ曲:「a.m.3:21」

羊文学 シンプルなオルタナロックをスリーピースで。

「3人でできることだけで作られたとてもシンプルな音楽であること」を大事にしているというスリーピースバンド。オルタナティブロックをベースに、さまざまな色が混ざり合ったグラデーションのような音像を描く。曖昧なものだらけの世界において、希望を掴もうという意志を歌う歌詞も繊細だ。透明感あふれる瑞々しい歌声を持つボーカル・塩塚モエカはファッション誌にも頻繁に登場。「日本にも世界にもかっこいい音楽、おもしろい音楽がたくさんあることを知ってもらいたいです」
オススメ曲:「ghost」

Tempalay 独特の個性を放つ3人による、中毒性の高い音像。

小原綾斗(G&Vo)、John Natsuki(Dr)、トラックメイカーやモデルとして知られるAAAMYYY(Cho&Syn)というオリジナリティあふれる個性を放つ3人が集結。自分たちの音楽について「半歩先のキモみ」と評するが、絶妙なバランス感覚にもとづく、海外のトレンドを独自に解釈したサイケデリックな音像の中毒性は抜群だ。クリエイティブ・レーベルPERIMETRONが手掛けるミュージックビデオなどのアートワークも毎回話題に。全米ツアーやアジア各国でのツアーも積極的に行っている。
オススメ曲 :「シンゴ」

Rei ルーツミュージックが原点のハイブリッドサウンド。

幼少期をニューヨークで過ごし、4歳よりクラシックギターを始め、5歳でブルーズに出合う。国内外から高い評価を得る卓越したギタープレイとパワフルなボーカルを武器に、各国の音楽野外フェスにも参加する彼女は、ルーツミュージックをアップデートしたハイブリッド・サウンドを奏でる。カテゴライズしがちな社会の風潮に風穴を開けるような、ボーダーレスでフリーダムなメッセージはとてもエネルギッシュだ。「一途に生きることと、音楽って楽しいっていうことを皆さんに伝えたいです」
オススメ曲:「What Do You Want?」

どんぐりず 映像もアートワークも行う、群馬在住の幼なじみ2人組。

彼らいわく、「ノリがいい性格から生み出されるノリのいいビート」が特徴であるというどんぐりず。群馬県桐生市を拠点に活動する森とチョモランマの幼なじみ2人組で、中学より音楽活動をスタートさせた。音源から映像、アートワークまで、すべてセルフプロデュースしているという実力派だ。ヒップホップやシティポップ、歌謡曲などを大胆にカットアップした巧みなサウンドメイクと、やんちゃな遊び心をふんだんに詰め込んだミュージックビデオからは、YouTuber的な佇まいを醸し出している。
オススメ曲:「E-jan」

長谷川白紙 カオスかつ緻密にコラージュされた新時代ポップシンガー。

「不安定なところと、都度新しい輪郭を得るところ」が自らの楽曲のオリジナリティだという22歳の音楽家。10代の頃にSoundCloudを中心に、インターネットシーンで活動をスタートさせた。「なんでもやったことのないことを試してみたいし、これまでも試してきました」という言葉通り、長谷川白紙のデスクトップミュージックは、ジャズ、ブレイクビーツ、ドラムンベース、現代音楽といった要素がコラージュ感覚でミックスされた新時代ポップ。その真ん中に朴訥とした“歌”が据えられている。
オススメ曲:「怖いところ」

HIMI 天性のソウルフルな歌声を持つ、マルチアーティスト。

天性のソウルフルで艶やかな歌声を持ち、作詞作曲とアレンジに加えて、ギター、ドラム、ベースなど、あらゆる楽器を自身で演奏する。その楽曲は、PERIMETRONの西岡将太郎らと立ち上げたクリエイティブレーベル「ASILIS」からリリース。「落ち着いて聴きどきに訊いてみて。あなたが聴いてくれた時に伝わるから」。最近では、実母であるCharaが初めて音楽監督を務めた映画『ゾッキ』(2021)にて、主題歌「私を離さないで」をCharaとデュエットしていることでも話題だ。俳優やモデルとしての活動も並行して行っている。
オススメ曲:「hold on to your life」

yonawo メロウなグルーヴとビタースウィートな歌声。

「この4人でやる音楽はすべてオリジナル」だという福岡在住の4人組。メンバー共通で好きなアーティストは、チェット・ベイカーやビル・エヴァンス、アークティック・モンキーズといった面々なのだとか。R&Bやロックを、心地良いメロウなグルーヴとボーカル&キーボードの荒谷翔大のビタースイートな歌声でもってモダンに調理。最近、福岡にプライベートスタジオを作ったことで、より時流に流されない環境を整え、長く聴かれ続ける楽曲制作に向き合っているのだそう。「自由に曲を聴いて、自由に感じてほしいです」
オススメ曲:「good job」

Photos: Courtesy of Artists Text: Kaori Komatsu Editors: Maki Hashida, Sakurako Suzuki