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マリリン・モンローとダイアナ元妃。今なお、存在感を放ち続けるふたりを描いた物語が伝えたいこととは?【アイコンたちのプライムタイムvol.1】

世界を熱狂させ、ファッションやカルチャー、そして社会を牽引した唯一無二のアイコンたちの“プライムタイム(最良のとき)”を鮮やかに描き出す映画やドキュメンタリーを厳選。第一弾ではマリリン・モンローダイアナ元妃の3つの“物語”に迫る。

『ブロンド』

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マリリン・モンローが死後60年経っても人々の関心を集める理由は? 恐らく、公私で見せる姿を変えていたといわれる彼女の、真の姿を知りたいと思う人が多いからだろう。『ブロンド』はモンローの生涯を大胆に書き直したジョイス・キャロル・オーツのベストセラー小説を原作に、『ジェシー・ジェームズの暗殺』(2007)のアンドリュー・ドミニクが監督。同作に主演したブラッド・ピットが製作を担当し、キャリア絶好調のアナ・デ・アルマスがモンローを演じる。フィクションを交えながら、マリリン・モンローの人生を本人のレンズを通して描いた作品。人生とキャリアの輝かしい瞬間を丹念に再現したシーンにも注目したい。

『プリンセス・ダイアナ』

公開中

ダイアナ元妃の事故死から今年で25年。「悲劇的な死と、我々(一般市民)の共犯関係を探る」ことを目的としたドキュメンタリーが『プリンセス・ダイアナ』だ。チャールズ皇太子と婚約をする数週間前の1981年から、36歳で事故死する1997年までの16年間を、写真やニュース映像、音声記録などすべて当時のリアルタイムの記録をつないで製作。語り手やナレーションを一切排除した、既存の記録だけで「ダイアナ元妃を殺害したのは誰か?」をあぶり出す力作だ。

『スペンサー ダイアナの決意』

10月14日公開 Photo:  © Kent Gavin.

映像にはチャールズ皇太子の不倫や、冷え切った夫婦関係が噂される様子も映される。そして、元妃はある大きな決意をする。その決意を固めたとされる3日間を描いた物語が『スペンサー ダイアナの決意』だ。夫の不倫に加え、王室の古いしきたりの強要やメディア攻撃によって、自分らしさを失いつつあった元妃。心を蝕まれながらも、状況に抗い、大きな決意によって気持ちが解放される姿を、クリステン・スチュワートが熱演する。「自分の人生は自分で決める」と誓った日、劇中のスチュワートのようにダイアナ本人も軽やかに走り出しただろうか。

Text: Rieko Shibazaki Editor: Yaka Matsumoto