1980s アイドルからアイコンへ。
エンタメ業界が巨大化した80年代は、アイドルが量産された時代。浮かれムードの世の中に発信された彼らの人気は、計算され尽くしたマーケティングにも大きく左右された。
しかし、そんなマーケティング力をも飲み込む強烈な個性と才能、そして自己プロデュース力を持ち合わせたマドンナやジョージ・マイケル、ジャネット・ジャクソンやリック・スプリングフィールドといった面々は、泡のようにはじけて消えたアイドルブーム後も独自の路線で音楽活動を続け、ポップスもアートになりえることを証明した。
俳優組では青春映画の人気男子軍団(ブラット・パック)の一員だったトム・クルーズやロブ・ロウ、あるいはブルック・シールズも上手に役を選び、アイドルから役者へと昇華。
これが私の生きる道!異業種への転職組。
全米で80~90年代にかけて放送されていたホームコメディ『フルハウス』。アシュレーとメアリー=ケイト・オルセンは生後8カ月から今作に出演して莫大な人気と富を手にし、役者としてキャリアも順風満帆のように思えたが…。20歳のときにブランド「ザ・ロウ」を立ち上げ、ファッションデザイナーへと転身をはかる。
同じく90年代に世界的な大ブームを巻き起こしたガールズポップグループ、スパイス・ガールズの一員だったヴィクトリア・ベッカムも34歳のときにブランド「ヴィクトリアベッカム」をスタート。活動場所をステージからランウェイへと変え、洗練されたスタイルを発表し続けている。両者ともスタート当初はセレブのお遊びと思われていたが、実力でそのイメージを打破。
大人になったティーンドラマのあの子たち。
演技力以上にルックスやファッション、物語の展開のほうが重視されることが多いティーンドラマだけど、ここでしっかりとした演技力を身につけた人たちもいる。
今や賞レースを賑わす存在のミラ・クニスとその夫アシュトン・カッチャーは、TVコメディ『ザット’70sショー』でおバカカップルを演じて大ブレイク。ジャレッド・レトとクレア・デインズはドラマ『アンジェラ15歳の日々』で共演をした過去を持つ。
歌姫アリアナ・グランデもシットコム『ビクトリアス』で女優デビューした後に歌手へ転向して大成功。ちなみにこのジャンルの先輩には、70年代に同じ立ち位置にいたジョン・トラボルタ(『Welcome Back, Kotter(原題)』)や、80年代のジョージ・クルーニー(『The Facts of Life(原題)』)もいる。
Text: Rieko Shibazaki Editor: Mihoko Iida