【宮沢氷魚の初めて年表】
1994年 アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコに生まれる。
初めて日本で暮らし始める。
2013年 カリフォルニアに留学。
2015年 雑誌『MEN’S NON-NO』で初めてのモデル撮影を経験。専属モデルに。
2017年 テレビドラマ『コウノドリ』で、演技に初挑戦。
2018年 『BOAT』で初舞台、初主演を務める。
『VOGUE FASHION’S NIGHT OUT』で、初めてレッドカーペットを歩く。
舞台『豊饒の海』で、剣道に挑戦中。
【Q1. 初公開の愛用品、見せてください!】
初給料で買った、レイバンの折りたたみサングラス。 「僕、瞳の色が薄くて眩しいこともあり、サングラスが好きでいくつか持っているのですが、いつかいいものが欲しいなってずっと思っていて。2015年に雑誌『メンズ・ノンノ』の専属モデルが決まって、そのときにビームス(BEAMS)で使える10万円商品券をいただいたんです。自分にとってはそれが初給料のような感覚だったのですごくうれしくて、何か思い出になるものを買おうと思い、このレイバン(RAY-BAN)の折りたたみサングラスを選びました。それまであまり高価なものを買ったことがなかったので、3回くらいお店に行って、覚悟を決めて奮発して買いました(笑)」
「生まれがカリフォルニアなので、こういうビーチっぽいサングラスって憧れてたんです。前に似たような形のものを30ドルくらいで買ったんですが、すぐ壊れちゃったんですよね。あと、男ってどこかでレイバン(RAY-BAN)のサングラスが欲しくなる時期があるんですよ(笑)。だから、このタイミングで買うしかない! と思って選びました。サングラスって失くしがちですけど、僕は失くさないです。リップクリームは、2週間に1回くらい失くしてしまうけれど(笑)。これは特に、ずっと大事に使うと思います」
【Q2. 記憶に残る初体験エピソード、ありますか?】
憧れのレッドカーペット、でも……。
「実は9月に神戸で開催された、『VOGUE FASHION’S NIGHT OUT 2018 in KOBE』で、レッドカーペットを初めて歩かせていただいたんです。ずっとレッドカーペットを歩きたい! という願望があって、めちゃくちゃテンション上がってたんですけど、車から降りて、実際歩いたのは2〜3メートルで、アレッ!?て(笑)。あっという間に終わってしまいました(笑)」
初舞台・初主演。台本のない稽古に不安の日々。 「もう一つは真面目なエピソードを(笑)。今年7月に『BOAT』という作品で、舞台に初めて挑戦しました。初舞台というだけですごく緊張したのですが、さらに主演ということもあり、今までの人生の中でトップ2くらいの緊張感やプレッシャーを感じていました。また、演出家の藤田貴大さんの舞台の作り方が独特で、基本的に台本がないんです。藤田さんが思いついたことを稽古場でやっていき、それを形にする。今まで経験したドラマともまったく違う、初めての経験でした」
「最初はやるしかないと思い、不安になりながらも稽古をしていたのですが、1日1日過ぎていくうちにプレッシャーが、どんどんのしかかってきて。共演者の方々は、藤田さんの劇団マームとジプシーに既に出演されたことがあったので、『大丈夫だよ』と。でも稽古最終日になっても半分できているかできていないかの状況だったので、そのときはだいぶ焦りましたね」
「そして、初日の前日に内容が完成して、泣きそうになりながら初日を迎えました。幕が開いて、初めてお客さんの前に立ったときは、一瞬圧倒されましたが、客席が広すぎて、視線を意識しすぎずに済んだのは意外でしたね。僕の中では達成感と団結力の強さを感じて、短い役者人生ながらも一番濃い1カ月半を過ごすことができたと思っています。24年間生きてきて一番の試練でもあったし、多分一番大きな壁だったので、それを乗り越えられたっていうのは、役者としても、人としても自信になりましたし、成長できたと思っています」
【Q3. 今、初挑戦していることは?】
難解な三島作品に向き合い中。 「三島由紀夫の原作『豊饒の海』を舞台化した作品の稽古中です。三島文学はとにかく難しいうえ、4部作から構成されている小説『豊饒の海』をひとつの舞台で表現するので、かなりタフです。僕は、主人公の松枝清顕の生まれ変わりの一人である飯沼勲を演じます。実際にこの役が決まるまで、三島作品に触れる機会がなかったので、難解な原作を読むこと事体も挑戦でしたね。読んでいてもやっぱり分からないことが多くて、松枝清顕役の東出(昌大)さんにも相談したことがあったんですが、『難しい作品だし、無理に理解しようと思わなくていいと思うよ』とアドバイスをもらいました」
カリフォルニア生まれ、初めての武道に挑戦。
「今回は原作も台本もあるし、稽古前に役について考える時間があったんです。でも、稽古に入ってないのに、勲ってこうだよねとか、こういう考えだよねって決めつけてしまうのも怖いと思ってしまって。考えすぎずに稽古初日を迎えてみよう! と思い切って、稽古場に行ったんです。そうしたら、自分が考えていた勲の姿が、日々変わっていくんです。その変化を大事にするという意味でも、難解な役を理解できないまま稽古初日を迎えたのは良かったのかなと思っています。稽古では、剣道も初めて習うことになりました。東出さんが元剣道部なので、いろいろと教えてもらいながら挑戦してるのですが、これもまた難しい(笑)。武道の経験が何もないので、立ち居振る舞いなど、学ぶことが多いですね」
2018 PARCO PRODUCE“三島 × MISHIMA”豊饒の海
三島由紀夫が6年の歳月を費やした、4冊の大河小説『豊饒の海』を舞台化。最終章を書き上げ、1970年に割腹自殺を計った三島の意思がふんだんに感じられる原作は、"世界解釈の小説"だと生前に語った。物語は、20歳の松枝清顕(東出昌大)が命を落とす第一部から、友人である本多繁邦(笈田ヨシ/首藤康之/大鶴佐助)が、3人の松枝の生まれ変わりと出会う人生を、時代を超えて描いていく。宮沢氷魚が演じるのは、松枝の生まれ変わりの一人である飯沼勲。脚本に長田育恵、演出マックス・ウェブスター。
http://www.parco-play.com/web/play/houjou/
〈東京公演〉2018年11月3日(土・祝)~12月2日(日) ※11月3日(土・祝)〜5日(月)=プレビュー公演
会場:紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
〈大阪公演〉2018年12月8日(土)~9日(日)
会場: 森ノ宮ピロティホール
Photos: Gen Saito Hair & Makeup: Mai Ozeki Interview & Text: Kurumi Fukutsu Editor: Saori Asaka