今回ご紹介するの花嫁は、女優兼プロデューサーで、制作会社「We The Women」を設立したことでも知られる、サムことサマンサ・レスラー。
サムと新郎ジェイソンの出会いのきっかけを作ったのは、なんとCOVIDワクチンの接種会場。サムの親友マックス・ウィンクラーとその妹ゾーイがワクチン接種の列に並んでいたところ、ゾーイのウィスコンシン大学時代の友人、ジェイソンに遭遇したのだという。「2002年の卒業式以来、お互いに会ったことも話したこともなかったはずなのに、二人は会話を交わして、ゾーイはすぐに彼のことを本当に素晴らしい人だと思ったらしいの」とサムは振り返る。「ジェイソンは、その日の午後にLAに引っ越したばかりだったそう」
そんな偶然の出会いの中で、ゾーイはサムにジェイソンを紹介したいとメールしてきた。「私は彼女にノーと言ったの」とサム。しかしゾーイはサムの電話番号をジェイソンに教え、彼はその夜電話をかけてきた。「それが2021年1月のこと」。そして二人はその13カ月後に結婚したのだ。
"幸せの場所 "でのプロポーズ。
プロポーズされ、婚約した日のことをサムは鮮明に記憶している。その日の彼女はカジュアルなエクササイズウエアにソックス、サンダルを履いていた。「あの日のことはよく覚えている。コーヒーを飲もうと思って立ち寄った先で友人と鉢合わせしてしまい、約束に遅れていることに気づかず1時間も話し込んでしまったのだから」と彼女は振り返る。
ジェイソンがサムにプロポーズしたのは、サムが "幸せの場所 "と呼ぶ二人の家。「彼はダウンタウンのフラワーマートに行って、家の中を花でいっぱいにしてくれたの。私はただ驚いてずっと泣いていたので、記憶が曖昧なほど」。その場から二人はそれぞれの家族にFacetimeで連絡し、ジェイソンはサムにこう言った。「ロマンティックなディナーに行く前に、君の両親の家に寄って軽く乾杯しよう」と。
「私が実家に入ると、なんとそこには彼の両親と、ミシガン、ニューヨーク、コネチカット、フロリダ、ノースカロライナから私たちの兄弟全員までもが勢ぞろいしていたの。私は3人兄弟、彼は2人兄弟で、お互いの兄弟は私たちの親友でもある。私は高まる感情をおさえきれずに号泣したわ」とサム。「それは本当に、本当に最高の時間だった」
結婚式は2022年2月19日に予定され、その準備期間はわずか12週間。「私たちは長い婚約期間を望んでいなかったし、特別な場所でなく、両親の家で結婚式を挙げたいと考えていたから」とサム。「私の妹も2020年の9月にそこで結婚したの。妹のときと同じく、カリスマイベントプランナーのマーク・シードがすべてをとても簡単に、楽しく、そしてシームレスに仕上げてくれた。彼は基本的に"天才"で、最高に冷静なエネルギーを持っているの。いつも冷静で、どんな問題でも適切に対処し、物事を前向きにとらえることができる人。彼は、結婚式は愛の祭典であり、準備期間でさえもが楽しい経験であるべきだと理解しているのだから」
さて、サムは自分の結婚式がどのようなものになるのか、あまり考えたことがなかったのだそう。「両親のスピーチでは、私が結婚しないと誓ったことをバラされてしまったほど」とサム。「でも、私は昔からこだわりが強く、決断に迷うことがなかったので、結婚式に対して自分が何を望んでいるかはわかっていたつもり。ライブイベントのプロデュースは、私が経営する制作会社『We The Women』の大きな部分を占めているし、大好きな仕事でもあった。イベントプランナーのマークはとてもクリエイティブで、彼と一緒にアイデアを考えるのは純粋にとても楽しかったし、実際、彼は私の想像をはるかに超えるものを作ってくれた」
パンデミックのため、サムとジェイソンは小規模な結婚式を選んだ。「そして、どんな集まりでもリスクはあると認識していた」とサム。全員に予防接種と事前テストを依頼したほか「祖母のジジは、私たちがバージンロードを歩く前に個別に会って、実際の結婚式には出席しないという決断をしたわ」
ドレスに関して、サムの希望は極めて明確だった。「ザック・ポーゼンは私の親しい友人の一人で、幸運にも彼にウェディングドレスを作ってもらうことができたから。彼は才能と同じくらい思いやりがあって、彼が作ってくれたドレスにどれだけの時間やエネルギー、愛情が込められたか、言葉では言い表せないほど」
ザック・ポーゼン描いた、理想どおりのドレス。
サムは結婚が決まると、ザックに1956年の映画『戦争と平和』でオードリー・ヘプバーンが着ているドレスを見せたのだそう。「それはウエディングドレスではないけれど、私が着たいと思う形や雰囲気にぴったりだと感じたの。ザックはすぐにフェルナンド・ガティノニのドレスだと教えてくれた。まるで百科事典のような知識を持っていて、とても彼らしいと思ったわ。そして翌日、彼はそのインスピレーションを元にスケッチをしてくれたの。キャップスリーブの代わりに、取り外し可能な2枚のケープとトレーン。そして手作業の刺繍。この経験は一生忘れることができないし、彼のような友人を持って、とても幸運だったと思う」。一方のジェイソンは、トム フォードのタキシードを選んだ。
サムがヴァージンロードを歩く際に選んだ音楽は、ジュディ・ガーランドとバーブラ・ストライサンドの「Get Happy / Happy Days are Here Again」のインストゥルメンタルバージョン。「私は演劇オタクで、この曲が大好き。何も考える必要はなくこの曲を選んだの」とサム。ジェイソンはレッド・ツェッペリンの「Going to California」に合わせて。「だって彼は私と出会うためにカリフォルニアに引っ越したのだから!」
二人の結婚の証人となったのは、二人を出会わせたサムの親友、マックス・ウィンクラーだ。「親友が私たちの結婚の証人となるという感覚は、うまく表現できないけれど……」とサム。「でも、大切な家族や友人たちに囲まれ、愛されていると感じたのは初めてで、終始笑い泣きしていたの」
「結婚式は素晴らしく、陽気で、感動的で、私が今まで消費したライブコンテンツの中で最も素晴らしい作品だったかもしれない。マックスと彼の妹のゾーイがいたからこそ、私たちは出会い、そこに立っていたのだから。式全体が家のように感じられたわ。文字通りの意味でも、比喩的な意味でも。私の両親の家で、私たちが愛するみんなと一緒にいること......それは、ただただ感謝と喜びがあふれる感情だった。ジェイソンは "Feels good to be home "というタトゥーを入れているの。なぜ彫ったのか聞くと、よくわからないらしいけれど、まさにその言葉通り」
庭にしつらえた特設テントでのパーティー。
結婚式の後、ゲストたちに振る舞われたのはネグローニ・バーとMASAの寿司だった。「前菜やカクテルが並び、お腹いっぱいになって酔っ払ったところで、庭の芝生に特設したテントに移動したわ。そこには5つの長テーブルがあって、それぞれに異なる配色でリサ・コルティのテーブルクロスをかけたの」とサム。「自宅のベッドには彼女のタペストリーがかかっていて、彼女の美しいデザインを使いたいとずっと思っていたから」
テントに入ると、すぐにダンスが始まった。そして、皆がスピーチを。「私たちの両親と兄弟がそれぞれ美しいスピーチをしてくれたので、また泣いてしまった」とサム。「あまりの楽しさに着替えるのを忘れてしまって、パーティードレスに着替えたのは深夜の12時10分。だからケーキカットは深夜になってしまったの!」
バンド演奏が終わると、DJのアリー・テイルズがステージに上がった。そして午前2時頃、パーティー会場はサムの父のオフィスへと移動。「壁をマイラーで加工し、ディスコボールをたくさん吊るして、午前5時まで踊ったのよ!」新郎は自他ともに認めるハンバーガー好き。アフターパーティーにはハンバーガーも振る舞われた。「でも、あんなに美味しいのに、私は一口も食べられなかった。アフターパーティーの後、最後に残ったのは私たち兄弟。両親が寝ている間にみんなで実家の2階に上がり、グリルドチーズを作ったの。思春期に家に忍び込んだことを思い出すようなことばかりで、本当に最高の思い出になったわ」
Text: Alexandra Macon From: VOGUE.com
