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2024年のチークはどう入れる? プロが解説する都会派の“日焼けチーク”の入れ方

バカンスでもナチュラルでもない、今どきで欲張りな“日焼け風メイク”の落としどころとは? メイクアップ・アーティストの吉田佳奈子さんにそのさり気ないチークのあしらい方を、春の新色とともに聞いた。

ヘルシーで洗練された印象をチークで纏う

しどけないパールのきらめきが頬に輝きを閉じ込め、ヘルシーとセクシーが心地よく絡み合う。レベージュヘルシーグロウブラッシュコライユジーヴレ ¥10,670 (限定発売中)/シャネルカスタマーケア

2024年春夏のランウェイからフォーマルな潮流を感じながらも、「Y2Kの名残や露出の多いスタイルも健在」と話すメイクアップ・アーティストの吉田佳奈子さん。ショーでのメイクも手掛けており、コレクションではラルイッチのメイクアップメンバーとして参加した。

2024年春夏ラルイッチ(LARUICCI)コレクションより。Photo: IMAXtree / AFLO

少し前は抜け感たっぷりなメイクが主流でしたが、ソリッドなテンションは下降気味になり、もう少しメイクをしたい! という傾向に。MSGMやラバンヌは、ナチュラルな中にもメイク感を感じる日焼けムードのチークが印象的でした。一方、ラルイッチはサンタンメイクにありがちなほっこり感やセクシーさを排除した、エッジィな方向に仕上げたのが特徴です

サンディな中間色をチョイス

〈左から順に〉ブラウンニュアンスを帯びたピンクベージュ。オイルの輝きとみずみずしさを両立。リクイド グロウ リップカラー01 ¥4,180(限定発売中)/RMK コーラルのパウダーチークとベージュのクリームハイライターのデュオ。さりげない陰影と温もりで洗練されたニュアンスに。ポリフォニック ブラッシュ 02 ¥5,390/セルヴォーク

そのカギとなるチークには、ポイントがある。「日焼け風を演出するときに大切なのは、チークを入れる場所。“ほっこり”ではないムードに仕上がるポイントを探るのが重要です。頬骨がしっかりある場合は、サラッと入れるだけでもOK。フラットなタイプの人は、両脇を少し空けて鼻の上にも入れて主張させると、ただのナチュラルではないアクセントとして見せることができます

〈左から順に〉光が透けるナチュラルベージュ。ハイライト感覚で使用できるため、頬に広範囲にのせやすい。チーク 03 ¥6,050(2月21日発売)/INOUI(資生堂) ダスティなブラウンが、モダンなサンタンメイクにマッチ。しっとりとしたレアな色づき。フュージングカラーリップス 04 ¥4,620(2月9日発売)/LUNASOL(カネボウ化粧品) オイルを高配合した湿度のあるパウダーが、肌と一体化しリアルな血色感を演出。のび広がりが良く、指付けできるメリットも。テラコッタのメイクに生命力が加わるタンジェリン。フェイスグロウ 02 ¥4,510(4月1日発売)/UNMIX(アンミックス)

また、チークの色選びも重要に。「強めのピンクやオレンジだと狙いすぎた印象の仕上がりになるので、サンディな中間色を選ぶのがベター。私は先に向かって細くなった水彩画用のブラシを使っていて、顔の中心から左右にぼかしながら放射状に広くのせるとなじみます」。仕上げのキモとなるのがリップだが、「赤みのあるブラウンだとバカンスさ全開になるので、アーバンに仕上げるなら赤みを抑えたブラウンに」。グレイッシュなトーンで陰影を加え、モダンに昇華させたこのバランス感はぜひ取り入れたい。

話を聞いたのは……
KANAKO YOSHIDA
メイクアップ・アーティスト。2008年渡英、渡仏を経て2012年に帰国。日本で活動し、再び2017年にパリへ。当時シャネルのメイクアップディレクターを務めたルチア・ピカのファーストアシスタントを務め、現在はパリでフリーランスとして活躍する。

問い合わせ先/RMK DIVISION 0120-988-271
アンミックス biz@unmixbe auty.com
カネボウ化粧品 0120-518-520
資生堂お客さま窓口 0120-81-4710
シャネルカスタマーケア 0120-525-519
セルヴォーク 03-3261-2892

Text: Kazuko Moriyama Photos(image): AYAKAENDO Styling: NAZUNA  Editor: Toru Mitani

※『VOGUE JAPAN』2024年2月号「春が醸す、ネオ・センシュアリティ」転載記事。