2025年春夏コレクションで一際目を引いたのは、多様なムードとインスピレーションが融合したドレススタイル。ルネサンス期の彫刻的なドレープを提案したトッズ(TOD'S)やオットリンガー(OTTOLINGER)、映画『ベッカムに恋して』(2002)を彷彿とさせるスポーティーなジーシーディーエス(GCDS)など、個性が光るドレスがランウェイを彩った。
2024年のボヘミアン復活から派生したフレアスカートは、新しい年に合わせてムーディーな花柄やゴシックなテイストに変化。ヴァレンティノ(VALENTINO)やサンローラン(SAINT LAURENT)では、フローレンス・ウェルチをミューズにしたルックを提案し注目を集めた。また、ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)に影響を受けたパンクチェック柄をクワイエットラグジュアリーな印象に落とし込んだザ・ロウ(THE ROW)や王政時代を感じさせつつも、モダンに昇華したアーデム(ERDEM)など、異なる時代やスタイルが交錯する斬新なデザインが目を惹いた。最新ランウェイルックを参考に、2025年春夏シーズンで注目すべきドレススタイル7選をチェックしよう。
映画『ベッカムに恋して』を想わせるスポーティスタイル
ランウェイで長らくトレンドとなっているスポーティなスタイルは、今季も変わらず健在だ。ジーシーディーエスやシア・アーニカ(SIA ARNIKA)では、ウィンドブレーカーを再構築したようなドレスが登場し、機能性とファッション性を兼ね備えたドレスを提案。デイリーに取り入れやすい汎用性の高いスタイルは、今季のワードローブにぜひ加えておきたいアイテム。
ルネッサンス ドレープ
柔らかなドレープが描く流線美を纏ったマキシ丈ドレスが、今シーズンのランウェイで圧倒的な存在感を放った。トッズはシックなツートーンカラーで大人のエレガンスを引き立てるドレスを提案。一方のオットリンガーは、トレンドのチャームバッグとフューチャリスティックなアイウェアを組み合わせ、モダンな要素を融合させたルックを披露。どちらも、オーセンティックな美しさと未来的な感覚が交錯した、今季の注目スタイルとなった。
ダークボヘミアン
先シーズンから再燃しているボーホーシック。今季注目すべきは、ダークロマンティックな要素を融合させたダークボヘミアン。アレッサンドロ・ミケーレが率いる、新生ヴァレンティノやサンローランといった老舗メゾンがこぞってランウェイに取り入れ、今年の一大トレンドとなった。今春にボヘミアンなドレスを取り入れたいなら、影のあるゴシックなドレスを選びたい。
G.I.ジェーン風ユーティリティドレス
機能性と芸術性を兼ね備えたG.I.ジェーン風ドレスは、モダンなスピリットを感じさせる新たなスタイルとして登場。クリスチャン ワイナンツ(CHRISTIAN WIJNANTS)やローレン マヌーギアン(LAUREN MANOOGIAN)のコレクションでは、大きなポケットをあしらったミニスカートや、シンプルでありながらユニークなレイヤリングが特徴のドレスがラインナップ。軍服にインスパイアされたデザインは、今季のトレンドの中で注目すべきアイテムとなっている。
チュールのレイヤード
数年にわたり人気が続くチュール素材は、今季、レイヤリングによって幻想的なオーラを放つルックで登場。スポーツマックス(SPORTMAX)は、ビジューがあしらわれたワンピースの上にオーガンジー素材を重ね、圧倒的な存在感を持つ一着を披露した。
パンキッシュなチェック柄
ヴィヴィアン・ウェストウッドにインスパイアされたパンキッシュなチェック柄が、今季のランウェイでも散見された。トラディショナルなチェックパターンを採用しつつ、クワイエットラグジュアリーな印象を持つマキシドレスを提案したザ・ロウなど、クラシックなパターンを刷新するブランドが多く登場。これまでのパンクやロックな要素を取り入れつつも、洗練されたエレガンスを兼ね備えたドレスは、今季の注目アイテムとなること間違いなし。
王政時代を想わせる、エレガントなドレス
19世紀の王政時代を想わせる、優雅でエレガントなドレスが続々と登場した2025年春夏コレクション。ロエベ(LOEWE)やアーデムでは、華やかなシルエットのドレスにフラットシューズを合わせ、現代的な着こなしを提案。クラシックな美しさに、リラックスしたムードを加えたこのスタイルは、すぐ真似したい装いだ。
Text: Joy Montgomery Adaptation: Saori Yoshida
From: VOGUE.UK
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