KYOKO MURAMATSU(VOGUE JAPAN/Beauty Editorial Lead)
ANTI TO WELL AGING “25歳以降は売れ残りのクリスマスケーキ”、なんて揶揄される時代は流石にこの日本でも終わったけれど、年齢というフィルターに常に晒されている日本女性たちの状況はそこまで変化していない。何歳までにキャリアを定めて、結婚して、出産して……。数字に追われ続けるのは女性で生まれた以上、確かに生物学的に避けられないときもある。でも、「そんなナンバリングからそろそろ卒業させてほしい」という風潮がメインストリームとなってきた。そして、“若く見せたい”と“綺麗でありたい”という言葉に大きな差が生じてきたことも実感する今日この頃。これからの日本女性は“私軸の綺麗”をもっと楽しむ方向性へ。残すべき可愛いシワ、カッコいいグレイヘアよウェルカム。年齢や社会通念に囚われた「こうしなきゃ」という押しつけから解き放たれて年齢で進化を遂げた自分をさらに好きになれる。そんな前向きなエイジングを、きっと愛するコスメたちがかなえてくれるから。
RIEKO KOSAI(VOGUE JAPAN/Beauty Editor)
SKIN IS ALIVE スキンケア化粧品に高い機能性を期待する潮流は変わらぬ一方で、肌を環境の一部としてとらえる価値観が生まれ、より“整える”意識へとシフト。美肌菌、マイクロバイオームへのアプローチがトレンド入りし、成分としても発酵と近代的なテクノロジーを融合させたフォーミュラーが注目されている。
J-BEAUTY 近未来的な非現実感と自然回帰の生命感とのハイブリッドな美が旬。追求するのは濁りのない透明感あふれるクリアな肌、滑らかで生っぽいキメの細かさ、自然なハリ感。ヘアは生き生きとした艶感とソリッドなミニマルさをあわせ持ったスタイル、ピンクベージュやネイビーなど曖昧でムーディなカラーがストリートで人気を得ている。
MORE SLEEP 世界でもまれに見る“睡眠不足大国”と呼ばれて久しい日本。カルチャーとして根づきつつあるサウナや瞑想も睡眠の質向上に効果ありと言われており、美を下支えする快眠は引き続き重要トピックの一つ。
RE-GAL ギャルブームが再来し、国内外から人気を集めている。カラコンや束感まつ毛、キラキラとしたアイメイク、艶やかなグロスリップなどマスクを外したことでメイクへの欲求が爆発! ヘアメイクだけではなく、ギャル特有のタフなマインドにも注目が集まる。さらにK-POPカルチャーの影響もあり幅広い世代にハイトーンヘアが浸透中。
YOUTHFUL SKIN シミやたるみのないハリとツヤのある若々しい肌が理想とされる背景には、日本特有の“カワイイ”文化が少なからず影響している。K-カルチャーやSNSの影響も後押しし、性別問わずボトックスや目の下のクマ取りなどの美容医療が当たり前に。“何もしていない”という人を見つける方が今や難しいだろう。そして四季がある日本は、気候の影響で肌が揺らぎやすいため、毎日のスキンケアが重要。化粧水→美容液→乳液→アイクリーム→クリーム(+パック)ときちんとステップを踏み丁寧に肌をいたわり、実年齢を問わない幸福肌を作るのだ。
Editor: Risa Yamaguchi