1.チュイルリー公園での幕開け
パリオリンピック2024の閉会式は、フランス人歌手のザホ・ド・サガザンが、チュイルリー公園でエディット・ピアフの「Sous le ciel de Paris」をアカデミー・ヘンデル=ヘンドリクスの合唱団とともに歌い、幕を開けた。パフォーマンスが終わると、フランスの競泳選手レオン・マルシャンが「聖火の火」を入れたランタンを手に取り、スタッド・ド・フランスへ。スタジアム内では、「ラ・マルセイエーズ」のオーケストラ演奏が行われ、ギリシャを筆頭に各国の選手団が行進した。
2.オランダのシファン・ハッサンが五輪新記録で金メダルを獲得
2024年大会の最終種目である陸上女子マラソンで、エチオピア出身のオランダ代表シファン・ハッサンが2時間22分55秒のオリンピック新記録を樹立。東京オリンピックで2つの金メダルを獲得していた彼女は、閉会式で3つ目の金メダルを受け取り、約9000人の選手を含む7万人以上の観客がその偉業を祝った。
3.光り輝くオリンピック・リング
開会式にも登場したフードをかぶった奇妙な人物、ゴールデンボイジャーが空から降臨。ダンサーたちが神秘的なバレエやアクロバティックな踊りを披露する中、地中に埋まっていたオリンピック・リングが現れ、空中に吊り上げられる。その間、フランスのテノール歌手バンジャマン・ベルナイムが「アポロ讃歌」を歌い、垂直に吊るされたピアノをスイスの作曲家でピアニストのアラン・ロッシュが伴奏した。
4.フェニックス、エアー、エズラ・クーニグのパフォーマンス
ソフィア・コッポラの夫トーマス・マーズ率いるフランスのインディーズバンド、フェニックスが、特設ステージで「Lisztomania」、「If I Ever Feel Better」、「1901」をメドレーで披露。彼らと「Nightcall」のステージをともにしたのは、ベルギー人シンガーのアンジェールとフランス人DJのカヴィンスキー、マーズ。さらにエアーとカンボジア人ラッパーのV.S.A.が加わり「Playground Love」を、ヴァンパイア・ウィークエンドのフロントマンであるエズラ・クーニングが参加して「Tonight」をパフォーマンスした。ラストでは、紙吹雪がステージに降り注ぐ中、マーズは観客の中に飛び込んだ。
5.パリからLAへ、オリンピック旗の受け渡し
2028年に次の夏季大会が開催されるのは、ロサンゼルス。オリンピックフラッグは、パリのアンヌ・イダルゴ市長からトーマス・バッハIOC会長に返還され、そしてロサンゼルスのカレン・バス市長へと渡された。その際、アメリカの国歌「星条旗」をギター演奏で独唱したのが、グラミー賞とアカデミー賞のダブル受賞歴を誇るH.E.R.だ。
6.トム・クルーズの“ミッション・インポッシブル”
五輪旗が次の開催地へと引き継がれ、その舞台へと届ける大役を務めたのがアメリカ屈指のアクションスター、トム・クルーズだ。スタジアムの屋根から飛びおり、地上でアスリートたちと握手を交わした後、今大会で3つの金メダルと1つの銀メダルを獲得したアメリカの体操選手シモーネ・バイルズからオリンピックフラッグを受け取るとオートバイに乗り込み、夜の街へと飛び出していった。
その瞬間、放送は事前に録画されたビデオに切り替わり、トム・クルーズがパリからLAまで、バイク、スカイダイビング、パラシュートで移動し、ハリウッドサインに象徴的なオリンピックのリングを追加していく様子が映し出された。
7.晴天下のべニスビーチでセレブレーション
続いて、ベニスビーチでの盛大なビーチパーティーにカメラは切り替わる。レッド・ホット・チリ・ペッパーズが 「Can't Stop」、ビリー・アイリッシュが兄のフィニアスとともに「Birds of a Feather」、そしてスヌープ・ドッグが「Drop It Like It's Hot」に加え、ドクター・ドレーとともに「The Next Episode」をパフォーマンスした。
8.盛大に締めくくったイズー
セレモニーの最後にスペシャルなドラマとファッションをもたらしたのが、フランスのシンガーソングライターのイズー(Yseult)だ。ディオール(DIOR)によるカスタムルックに身を包み、1969年にフランク・シナトラによって広められた「My Way」を力強く歌い上げた。
Text: Christian Allaire, Marley Marius
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