NFLのスーパーボウルは、アメリカのTV放送において重要な要素である。アメリカンフットボールを世界的ポップカルチャー現象へと導き、世界中から約1億人の視聴者を惹きつけているのは、ハーフタイムショーのパフォーマンスだ。視聴者のほとんどは、ゲームで誰が勝利を収めたのか、ましてやどのチームが戦ったのかすら覚えていないかもしれない。しかし、ジャネット・ジャクソンとジャスティン・ティンバーレイクの“衣装の不具合”を忘れた人は少ないであろう。
スーパーボウルは、1993年にマイケル・ジャクソンが煙の中から現れた時から、ポップミュージックの扉を開いた。キング・オブ・ポップが軍隊風ボレロを身に着けたショー以降、出演者と衣装スタイリストたちは、豪華なパフォーマンスを披露するための衣装に力を入れることとなった。
1996年、宝石をちりばめたボディースーツに金色のケープを羽織るなど、三回の衣装替えを行ったダイアナ・ロス。最後にはヘリコプターに乗り、観客に手を振って去った。5年後の2001年には、メタリックな素材、スポーツジャージ、そしてダメージデニムをミックスした衣装をまったブリトニー・スピアーズ、エアロスミス、イン・シンク、メアリー・J. ブライジ、そしてネリーが「Walk This Way」を歌った。
また、数々のデザイナーもポップスターらのためにカスタムメイドの衣装を提供している。2012年、マドンナはハンドメイドの刺繍が施されたジバンシィ(GIVENCHY)のクチュールのケープ、リカルド・ティッシがデザインしたミニドレスと黒いコート、そして仕上げにブルガリ(BVLGARI)のジュエリーを身につけて出演。
そして2015年の最高視聴率を打ち出したケイティ・ペリーのハーフタイムのショーを影でサポートしたのは、ジェレミー・スコット(JEREMY SCOTT)だ。
Text: Annachiara Biondi