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ビリー・アイリッシュ、複数形態のCD発売批判は誰かを特定して言ったわけではない「業界全体にシステムの問題がある」

複数形態のCDを発売する施策を批判したビリー・アイリッシュだが、特定の誰かに向けた発言ではないという。
Photo: Monica Schipper/Getty Images

ビリー・アイリッシュは、アルバムの売上のためにアナログ盤を複数形態でリリースする施策を批判したが、誰かを特定したわけではないという。先日公開された『ビルボード』のインタビューで、母親のマギー・ベアードとともに持続可能な社会を目指す取り組みについて語り、売上枚数を伸ばすために大物アーティストでさえも複数のパッケージのCDを発売している現状について、「浪費的」で「苛立ちを覚える」とコメント。これが、テイラー・スウィフトなど特定のアーティストを非難したのではないかと取り沙汰されていた。

そんな声が耳に入ったのか、ビリーは3月31日(現地時間)にインスタグラム・ストーリーに当該記事のリンクとともに、「OK、みんなが私の言葉を憶測するのを止めて、ビルボードの記事で私が実際に話した言葉を読んでくれるとうれしい」と投稿。「誰かを特定したんじゃなくて、業界全体にシステムの問題があると言った。複数形態のリリースは、本当に多くの人がしている……私を含めてね! これは記事の中でも明確にしている」と綴り、改めて自身の取り組みについて触れた。「気候変動は今ここで起きていて、いずれ私たちも巻き込まれる。私たちは改善しようと努めている」

母のマギー・ベアードとともに。

Photo: Todd Williamson/NBC/Getty Images

実際ビリーは記事の中で、自身のセカンドアルバム『Happier Than Ever』を8形態リリースしたことに言及。彼女自身はサスティナビリティを考慮し、すべてリサイクル材料を使ったと明かしていた。「現状、アーティストにとって、異なるデザインのレコードとパッケージを作ることが重要になっている。売り上げ枚数を積み上げることになるし、数字を伸ばすことはお金に繋がる。でも、それはひどい浪費主義。私たちの目の前で起きているのにみんなが見過ごしている。持続可能性に取り組み、みんなを巻き込もうと頑張っている身として、本当に苛立ちを覚える。世界で最もビッグなアーティストが、もっと買って欲しいからと40種類ものパッケージを作っている。すごく無駄なことだし、いまだに数字を気にして儲けようとしていることが、癪に障る。私の好きなアーティストがそんなことをやっているんだから……」

こう語るビリーに2020年3月、支援が必要な人に植物由来の食事を提供することで、気象変動にアプローチする非営利法人「Support + Feed」を設立した母マギーはシステムの問題だと指摘。アーティストが不必要にバリエーションを作る必要をなくすため、チャートの元となるデータにルールを設けることを提案している。

また、音楽業界でサスティナビリティを推進する環境保護団体「REVERB」とパートナーを組むなど、ビリーは環境問題に取り組んできた。昨年の夏には、ヘッドラインを務めたロラパルーザで、「REVERB」のサポートを得て太陽光発電の電力のみを使用してパフォーマンスを行っている。

Text: Tae Terai