もし、お客さんがバズカットにしたいと言って来店したら? 「全然アリ。突き抜けた個性のある人なら、誰にでも似合わせられます」と話すのは、東京・表参道のヘアサロンTOHの代表兼スタイリストの石原慎太郎さん。どういう人がトライすると、成功しやすい? 「ファッションに合っていたらOK。骨格でいうと頭が小さい人は似合いやすいと思う。つるんと豆っぽい頭の形の人は特に向いていますよ」
醸し出される“柔らかさ”が鍵
- 例えば、ヴェネチア国際映画祭でエマ・コリンズが見せた最新バズカット。シンプルに五分刈りしただけのように見えるが……? 「黒いけど、髪質が柔らかく見えるでしょう? 硬く見えると、“罰を受けてバズカットに?”みたいな感じになっちゃうから、どこかに上品さがあるほうがいいと思う。スポーティすぎないほうが個人的には好き」
- 上品さがあるバズカットにするには? 「カラーリングと形です。アジア人の場合、単にバリカンで刈るだけだと、粗野な印象になりすぎるかも」。フォルムに柔らかさ、厚みを少し出すのがポイントなのだそう。「ただ根本から均等に1センチ残すということではなく、頭の形に合わせて調節しながら、丸くなるように切っていきます」
- どこで柔らかさを出せばいい? 「質感と毛先。カットのテクニックで柔らかさをつくれます。ただ切ると、どうしても毛先が全部揃って重く見えるんです」。ウィンブルドンのときのエマ・コリンズのように、レングスを長めにし毛先をブリーチするとより扱いやすく。「カラーで見え方を調整しつつ、アウトラインが真っ直ぐなりすぎないようカットで調整します」
- 色味について「地毛にアッシュみがあると簡単なんですよ。黒っぽいバズカットに挑戦するとしても、カラーは必須。ひと口に黒と言っても、赤み、青みなどさまざま。バズカットのときは“柔らかい黒”にしたいから、一度ブリーチしてから黒っぽくカラーリング。地毛のままの黒とはまったく印象が違います」
- やっちゃったもの勝ちですよね!?と投げかけると、「そうですね、突き抜けた個性があれば。例えば、2000年台の韓国人シンガーICONIQさんを思い出してもらえると分かりやすいですが、メイクはきちんとするなどヘア以外とのバランスをとるのも必須です」と石原さん。「エッジィなファッションとの相性は抜群。一方で最近、和装にバズカットを合わせる人もいておしゃれですよね。例えばアートをやっているとか、あふれ出る個性を表現するにはぴったりのスタイルだと思います」
Editor: Rieko Kosai
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