第96回アカデミー賞13部門にノミネートされた『オッペンハイマー』でメガホンを取ったクリストファー・ノーラン監督。『タイム』誌のインタビューで、彼は今後もスケールの大きな作品を作り続けるのは、自ら築き上げた映画製作のリソースに対する責任からだと明かした。
「スケールの大きな作品作りに夢中だ。これだけのリソースを集めることが、どんなに難しく、貴重なことだとわかっているからです」「私が築いたリソースは、世界中の映画製作者が喉から手が出るほど欲しいものだと理解しています。ですから私は、このリソースを最大限生産的に、意味ある形で使う責任を感じています」
これまでも『テネット』(2020)や『インセプション』(2010)など革新的な映画を作ってきたノーラン監督は、カナダのIMAX社と組んで新しいカメラの開発を行うなど、技術面で新たな風を起こしていることでも知られる。また人的リソースの面でも、撮影監督ホイテ・バン・ホイテマや共同プロデューサーのエマ・トーマス、ネイサン・クロウリー(プロダクション・デザイン)、ジェフリー・カーランド(衣装デザイン)ら、固定のクルーと組んでいる。
インディ映画『メメント』(2000)で名を成したノーラン監督だが、最新作『オッペンハイマー』の制作費は1億ドル。それでも彼の通常の予算より安く、前作『テネット』の2億ドルと比べると半額ほどだった。なお監督自身はより規模の小さい映画を好むそうで、シャーロット・ウェルズの長編映画初監督作品『aftersun/アフターサン』(2022)や、今年のアカデミー賞にノミネートされたセリーヌ・ソン監督の『パスト ライブス/再会』を、それぞれ「美しい映画」「繊細で美しい」と称賛している。
Text: Tae Terai