パリで開催されたシャネル(CHANEL)の2025年春夏オートクチュールショーのフロントローで熱視線を集めたデュア・リパが、今度は新しいホーボーハンドバッグ「CHANEL 25」の顔として登場。キャンペーンビデオでは、ファイン・ヤング・カニバルズによる1988年のヒット曲「シー・ドライヴス・ミークレイジー」を口ずさみながらニューヨークで1日を過ごす彼女の姿がフィーチャーされている。
「CHANEL 25」はしなやかで軽やかなキルティングレザーで仕立てられており、ミディアムとラージサイズには取り外し可能なクラッチバッグが付属。オケージョンに合わせて、クラッチ単独で使うこともできる。
リパとシャネルのつながりは、LAのグラミー・ミュージアムでのパフォーマンスで着用する衣装をメゾンに依頼した2018年にさかのぼる。以来、カール・ラガーフェルドにオマージュを捧げたメットガラ2023や、昨年11月にアジアで行われた「ラディカル・オプティミズム」ツアーといったビッグイベントではシャネルのカスタムルックを着こなすなど、メゾンと親交を深めてきた。
シャネルのショーの後、US版『VOGUE』はリパに独占インタビューを敢行。彼女の好きな色、初めて購入したシャネルのバッグ、そして今回どの「CHANEL 25」を選んだかなどについて、VIPラウンジで語ってくれた。
──シャネルの2025年春夏オートクチュールコレクションは、色彩の世界を届けてくれました。あなたの感想をお聞かせいただけますか?
とてもすてきでした。モデルたちも自分が纏っているルックを本当に気に入っているようでしたね。全体的に明るい色使いで、見ていて楽しいものでした。なかでもバターイエローのシャツドレスが私のお気に入り。着るかどうかは別として、いつもイエローのものに惹かれるんですが、あの一着は「なんてロマンティックなんだろう」と思いました。自分が着ている姿が目に浮かぶし、ロックンロールな感じですごくクール。デイ&ナイトに着まわせそうです。それから、赤いドレスに黒のベルトも。ブーツと合わせて少しタフに仕上げて、自分らしくしてもいいかも。ツイードのルックも本当に美しかったです。
──あなたのスタイルはよくエクレクティックだと表現されますが、ご自身ではどう思いますか?
ただ「楽しい」感じ。確かにエクレクティックなスタイルだと言えますね。毎日何でもありって感じで、その日の気分によって変わるけど、自分がいいと思えるものなら何でもいい。たいていの場合、デニムを穿くのがすごく好きです。ボトムはシンプルに。それから、バッグかジャケットをメインに考えています。
──あなたのルーツは着こなしにどう影響していると思いますか?
子どもの頃はロンドンに住んでいましたが、あちこち旅をして、その後コソボに引っ越し、またロンドンに戻ったんです。そういう経験があるから、移動することや新しい場所に適応することにはとても慣れていると思います。いろんな色も着こなせるし、いろんなスタイルも楽しめる。それが私の仕事の仕方や服装、音楽に影響していると思います。(スタイルに関して言えば)これと決まったものはないし、意外な人たちとコラボレーションするのも大好きです。それが楽しいですね。何でも試してみたい。私は決まった服装をするタイプではないので。
──シャネル・ファミリーの一員になった今のお気持ちは?
最高です。2014年にレコード会社と契約を結んだときにレストランでの仕事を辞めたんですが、まとまったお金を初めてもらった後、シャネルのブティックに行ったんです。最初に買ったのは大人気だった「BOY CHANEL」。とても誇らしかった。その後はレザーのバックパックを買いました。自分のためにそれができるということに、とても力づけられましたね。「自分のお金でシャネルのバッグを買ったんだ」って。すごく誇らしい気持ちになりました。私にとっては、「自立」を意味するものだったから。このキャンペーンは私にとって、ここまで来たんだと実感させられるものになりました。
──「CHANEL 25」のどういった点が好きですか?
私は間違いなく大きいバッグ派。必要なものは全部入れるタイプなので。夜のお出かけにも大きなバッグを持って行くし、備えあれば憂いなし。友だちが何か必要としたときでも、「心配しないで、私のバッグのなかにあるから」って助けてあげられる。「CHANEL 25」はクールでタイムレスだし、私の持ち物が全部入るから大好きです。
──色は?
ブラックは何にでも合うから好きだけど、今はシルバーがお気に入り。この前手に入れたばかりなんですが、もう荷物を入れています。すごく大胆だし、すでに私のデイリーバッグですね。
──キャンペーンの撮影はどんなものだったかお聞かせください。
撮影はすごく楽しかった。ニューヨークの街を走り回ったりして、(監督の)ゴードン・ヴォン・スタイナーと仕事をするのは楽しかったですね。現場にはどこか自由さがあって、みんな「とにかく楽しもう」って雰囲気で。だから私たちは踊りまくったし、撮影現場のエネルギーは素晴らしかった。ステージに立つとき、観客からエネルギーをもらうんですが、それと同じ感じ。このチームとの仕事はただ楽しくて自由を感じられました。今ビデオを改めて観ると、それが本当に輝いて見えると思います。
──ファイン・ヤング・カニバルズの「シー・ドライヴス・ミークレイジー」はあなたが生まれる何年も前にヒットした曲です。このキャンペーンで歌う前にご存知でしたか?
はい、なんとなく知っていました。でも今は歌詞を全部覚えていますよ。すごく好きです。はつらつとしたエネルギーにあふれていて……羽を伸ばしたくなるような一曲です。
──最新アルバム『ラディカル・オプティミズム』のスピリットを日常生活にどう取り入れていますか?
困難に直面しても、うまくかわしていくこと。何にでも浮き沈みはありますから。ポジティブなマインドを持ち続け、大変な時期さえも楽しんでいれば、そこから何かを学ぶことができると思っています。自分のコンフォートゾーンから抜け出すことで成長できるんですよね。私のなかには超楽観的なところがあって、何に対しても「きっと大丈夫」って思えるんです。それに、その困難が何であれ、何かしらの教訓になるから。こういう考え方を何事にも適用するというのは、私に大きな変化を与えてくれました。
──多忙を極めた今でも、ショッピングを楽しむ時間はありますか?
場所によりますね。東京やパリ、ニューヨークなどで買い物をするのは大好き。自然とお店があるところに引き寄せられることもあれば、またあるときは「どこに行こう? レストランに美術館、それともナイトアウト?」って考えたり。都市によって違うし、そうやっていろんなことを経験できるのはとてもラッキーなことだと感じています。