FASHION/TREND

ヴィンテージだからこそ、着回しだって自分らしく楽しめる。二階堂ふみが披露するマイ・ヴィンテージコーディネイト【後編】

VOGUE JAPAN6月号のヴィンテージ特集に登場した二階堂ふみ。私物のみを使ったセルフスタイリングの全貌を、WEB記事で特別公開。想いの詰まったインタビューも最後までチェックして。

>> 二階堂ふみが教えてくれたお気に入りのヴィンテージショップ/前編はこちらから


さまざまな時代のテイストの服を、自分のカルチャーとミックスして楽しむ

お気に入りのヴィンテージショップを紹介してくれた前編に続いてお届けするのは、私物のヴィンテージ・コーディネイト。10年愛用しているというベルボトムのデニムパンツに、さまざまなテイストのトップをあわせて、ヴィンテージのおしゃれの楽しさを教えてくれた。

祖母から受け継いだツインニットは「私だけの特別なヴィンテージ!」

「私の一番のアイコンは祖母。頭にスカーフを巻いて運動会に来るような、粋な人でした」。そう語る二階堂ふみは、撮影の日も祖母から譲り受けたというアンサンブルを持参してくれた。「体型が近かったのもあり、ニットシャツを譲ってくれていました。祖母は海外の文化が大好きで、昔から良いお洋服を選んで買って長く大切に着ていたのですが、私自身も非常にその影響を受けていると思います」

この日のアンサンブルも、二階堂が中学一年生のときから着ているというもの。「当時はトラッドやパンク、スクールガールみたいなテイストが好きだったので、チェックのスカートに黒いタイツやローファーを合わせていました。今日はデニムスタイルですが、ストレートのスカートやパールを合わせても雰囲気が変わりそう。これまで色んなテイストを通ってきて、もちろん失敗もありましたが、それも含めてファッションは楽しいですよね。マインドに合わせて自由に変えられるのが、ファッションの魅力。こういった“血の通った服”は、年齢を重ねても自分の変化に寄り添ってくれるので、そういう視点で服を選んでいきたいです」


70Sムードたっぷりのペザントブラウスをあわせて

この日、3着のコーディネートを披露してくれた二階堂だが、そのスタイルはすべてどこか70年代を彷彿とさせる。「カルチャーの影響は母から。母が10代を過ごした70年代のムーブメントや音楽映画に憧れがあります」。

淡い色合いが美しいペザント風のブラウスも、前編で登場したANKHで購入した物だという。「里帰り中に一目惚れして購入しました。普段あまり薄いピンク系の色味は着ないのですが、このピンクとも紫とも言い難い絶妙な色合いや透け感に惹かれました。それに加えて、裏地を見ているともしかすると手縫いなのかも...と思うような部分もあって。それがすごく可愛らしくて。愛されてきたんだな、と感じさせられるアイテムだったので、その愛を受け継ぎたいと思って購入しました」

彼女の言葉からもわかるように、二階堂はデザインだけではなく、服の裏側にある物語や作り手の想いに寄り添いながら心底ファッションを楽しんでいる。「自分をより魅力的に見せてくれたり、より開放的にしてくれたり、ときには守ってくれたりする服。それはデザインやマテリアルだけではなくて、服そのものが持っているパワーだと思います。そういう服であるかどうかは、自分の目でしっかり見て、手で触ってみて初めて感じられること。安易な買い物はしたくないし、皆さんにも出来る限りしてほしくないなと思います。人の歴史や文化を吸収して、“着て学ぶ”ことができるのがヴィンテージの魅力。一度足を踏み入れると、実はすごくサステナブルでありながらカルチャーを感じられる奥深い世界なので、たくさんの方々にその素晴らしさが伝わるといいなと思います」