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ゲイリー・オールドマン、シリウス・ブラックの演技は「平凡だった」の真意を語る

ゲイリー・オールドマンは、『ハリー・ポッター』シリーズのファンを軽んじるつもりはなかったという。
© Warner Bros/Courtesy Everett Collection

『ハリー・ポッター』シリーズで、主人公ハリーの名付け親でもある悲劇のキャラクター、シリウス・ブラックを演じたゲイリー・オールドマン。以前ポッドキャスト「Happy Sad Confused」で、自分の演じたシリウスは「平凡だった」と言ってのけたが、「『ハリー・ポッター』の原作と映画、大勢いるシリウスのファンを軽んじるつもりはなかった」と弁明し、その意図を明らかにした。

パオロ・ソレンティーノ監督作『Parthenope(原題)』のプロモーションでカンヌ国際映画祭を訪れているゲイリーが、5月22日(現地時間)の記者会見でその真意を明らかにした。「僕が言いたかったのは、俳優であれ画家であれ、アーティストは皆、自分の仕事を酷評するということだ。自分の仕事に満足していたとしたら、僕にとっては死を意味する。自分の演技を見て、『なんてことだ。この作品の僕は最高にすばらしい』と思ったら、それは何とも悲しい日だ」

ゲイリーは第3弾『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004)で初めてシリーズに出演し、続く『炎のゴブレット』(2005)、『不死鳥の騎士団』(2007)、『死の秘宝 PART2』(2011)の4作でシリウス・ブラックを演じたが、映画はJ・K・ローリングの原作発売と並行して製作され、物語の最後がどうなるのかシリーズ開始当時は未知数だった(セブルス・スネイプ役のアラン・リックマンは、ローリングから役柄の運命を密かに聞かされていた)。彼は当時を振り返り、こう語る。

「原作は厳封され、秘密で覆われていた。最初から知っていたら、(シリウスの登場する)5巻すべて読んでいたら、キャラクターの運命を知っていたら、違うアプローチをしていただろう。視点も色付けも違ったと思う。シリーズに参加したとき、僕が知っていたのは『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』のシリウスだけだった。僕が言わんとしたのは、これだけだ。映画について駄作だとか、自分が最悪だったとは言っていない。ただ、状況が違ったらよかったのに、ということだ。僕が言いたかったのはこれだけで、映画を愛する人たちに対して無礼な態度を取るつもりはない」

Text: Tae Terai