女性がパートナーに“フェイク”する理由
yuji(以下y) 昨今は性における分断も見られるなかで、慢性的なコミュニケーション不足は原因のひとつだと感じます。男女に限らず、パートナー同士がもっとお互いを知る努力をしたほうがよいですね。
森田(以下森) 以前、性科学にまつわる講演のときにアンケートをとったのですが、「性行為のときにパートナーに対して、感じているふりをしたことがあるか」という質問をしたことがあります。YESのパーセンテージはどのくらいだったと思いますか?
y 半分くらいでしょうか……?
森 なんと、約97%だったんです。ほぼ全員が、パートナーに対して“フェイク”をしていたんですね。日本では“性”がタブー視されているから、親が子供に情報を伝えないまま、男の子はそれぞれで“自習”をして、女の子は自身の体や性のことがよくわからないままにパートナーと向き合う……という事態になっています。
女の子は相手に好かれたいから、これでよいのか?と自問しつつ、心身ともに真のつながりが得られない状態で、パートナーシップが続いていくことも。だからこそ、互いの性や体のことを率直に話して探り合うような、楽しいコミュニケーションがあったほうがよいし、セルフプレジャーグッズなどフェムテックのアイテムを取り入れるのも選択肢のひとつですね。最近では性のことについて教えられる素敵な絵本なども世の中にありますから、子どもにセンシュアリティや性の仕組みを伝えることをおすすめしています。
今後はより多様性のあるパートナーシップへとシフト
y 日本社会を見ても、 性の認識のズレによる事件などが見られますが、タブーとして抑圧されすぎているから、暴発しているのかも?と感じることがありますね。11月は、まさに性について見直すのによい時期。自分のジェンダーやパートナーシップに向き合うタイミングだから、新たな関係性が生まれたり、長年のしこりが解消されたりすると思います。または、自分の性癖が“腹落ち”することも。性というアンタッチャブルだと思われている部分を見つめ直し、陰陽でいう“陰“の部分を認めることで、よりよい調和が生まれるはずです。
この秋はターニングポイントで、自分の表の顔が瓦解するという意味合いもあるので、これまで表に出していなかったジェンダーをカミングアウトするとか、同じ趣味で共振できる人と出会うとか、ブレイクスルーも起きそう。新たな形のパートナーシップも生まれやすいですね。
森 私が学んでいたフランスでは、日本よりも曖昧なパートナーシップが多くありました。特定のひとりと付き合う、結婚する以外の、ゆるやかなつながりがありますね。
Z世代が実践するファンクション型パートナーシップ
y フィールドワークの一環で若い世代の話を聞いていると、僕の世代よりもジェンダーに対してフレキシブル&オープンな姿勢が見られます。彼らのマインドは軽快でいいな、と思うことも。彼らが歳を重ねてマジョリティになれば、社会全体のセクシャリティに対する偏見がなくなりそうです。
あるZ世代の方は、「セフレ」「ソフレ」「本命」に分けて3人と関係性を持っていると言っていました。それぞれに序列はなくて、「セフレ」はフィジカルな欲を満たす担当、「ソフレ」は「添い寝フレンド」の略語で、性的な関係は持たず、メンタル担当。そして「本命」はソーシャルライフ担当、というイメージです。
森 役割を分けるという考え方はとても面白いですね。パートナーがひとりであっても、自分が相手に何を求めているんだろうと役割を棚卸しすることができます。特に、メンタルは重要だと思っていて、年配の方だと激しい恋愛やフィジカルなつながりというよりは、「なんとなくそばにいるとホッとする」というような結びつきを求める人は多いですよ。
y 今後は、パートナーをファンクションで分けるという発想がアリになってくるのかも。旧来的なパートナーシップは、相手に求めすぎている状態なのかもしれません。すべてをひとりのパートナーで叶えようとするから、我慢したり、相手に合わせるストレスが生じたりするんですよね。フレキシブルなパートナーシップを選択肢に入れると、今起きている問題が解決できることもありそうです。
森 今の日本では難しい部分もありますが、家族や恋人とは違う、ゆるやかな関係性はジェンダー間の摩擦を減らしてくれるかもしれませんね。
性的マッチングを知るための星占い
y ちょうど今年と来年は、「トランスサタニアン」と呼ばれる天王星、冥王星、海王星が連続して動く時期。この3つの星が動くと、「土台が動く」のです。土台が動くと、我々も否応なく動くので、誰もが変化を体験します。今いる場所にあえて残ろうとする人たちは、ちょっと大変な思いをするかも。流れをキャッチアップすることをおすすめします。
これから向こう19年は、“解像度が高まる“シーズン。パートナーシップに限らず、さまざまことがより細分化されていきそうです。パートナーを複数持つといった、これまでのタブーも、時代を経て消えていく予感がしますね。
森 これからしばらくは、変化によって活性化されそうですね。自分の性的な嗜好は、星でわかるものですか?
y 後天的な要素もありますが、基本的には生まれたときの星を見ればわかります。データとしてあるから、一種の諦めではないですが、悩んでも仕方がない部分はありますよ。昨今は“婚活”をしている方も多いですが、プロフィールなどでロジカルなマッチングはできても、体の相性はわかりませんよね。その点、星占いは役に立つ叡智だと思います。
森 「運命の人」ではないですが、人間同士は“なぜだか惹かれる”というような、言葉にできないものがありますよね。仕事などのオフィシャルな場ではエビデンスや論文といったロジックを求められるけれど、あくまでも補完であって、結局のところは“直感”を超えるものはないと常々感じています。
y これまでは男性性優位でロジカルになりがちだったのが、今後は女性性が強くなっていく流れなので、うまく統合されていくはず。その意味では、星占いはパートナーシップをよりよい形にするためのあと押しになりそうです。
Profile
yuji
星読み係、ヒーラー。 香川県高松市生まれ。18歳でイタリアに渡り、現地大学院卒業。ミラノにてプロダクトデザイン事務所に勤務するも、ヒーラーとしての宿命に抗えず拠点を東京に移し、ヒーラーとして活動する決心。現在は書籍執筆、連載、講演などで活躍する一方、毎日星読みを行い、星々からのメッセージをSNSにて発信している。https://youtube.com/@yuji-universe
森田敦子
植物療法士。サンルイ・インターナッショナルおよび「ルボア フィトテラピースクール」代表。フランスパリ13大学医薬学部で植物療法を学び、日本での普及に尽力。帰国後は植物バイオ研究に関わりブランドWaphytoを創設するなど、コスメの成分開発なども手がける。ラジオ番組「森田敦子のLove your life」を配信中。
Photos: Kaori Nishida Text: Kiriko Sano Editor: Rieko Kosai
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