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【日光金谷ホテル】今もなお人々を惹きつける日本最古のリゾートホテル
明治6年(1837年)に創業し、昨年150周年を迎えた現存する日本最古のリゾートホテル。宿泊者リストには、リンドバーグやヘレン・ケラー、アインシュタイン、池波正太郎など、数々の著名人が名を連ねる。本館、新館、別館、第二新館のそれぞれに、デザインの異なる個性豊かな客室を持ち、大谷石造りの本館は、入口の重厚感のある回転ドアを抜けると、高い天井に木製の扉、華麗な螺旋階段など、明治時代の趣を残す洋の空間が広がる。そのなかに日光東照宮とのつながりを感じさせる和の彫刻が点在し、格調高い和洋折衷のスタイルを構成している。
2023年には、「ROYAL CLASSICS」をコンセプトに、別館を全面リニューアルオープン。創業家・金谷家の家紋である笹竜胆(ささりんどう)をベースに、竣工当初から別館を見守る玄関の灯籠と日光を象徴する神橋をモチーフにした和紙の擬宝珠のクロスが、客室に上質な趣をもたらす。かつてヘレン・ケラーが泊まった105号室は庭を見渡す大きな窓を持つ「別館コーナー」に、昭和天皇が利用した122号室は拡張されて、ゆったりと過ごせる「別館スイート」に生まれ変わった。伝統と格式にあふれるレジェンドホテルは、今もなお人々の憧れの的だ。
日光金谷ホテル
栃木県日光市上鉢石町1300
Tel./0288-54-0001
料金/1室1泊60,000円~(別館コーナー・2名1室利用)※2024年4月現在
https://www.kanayahotel.co.jp/nkh/
【富士屋ホテル】アートと温泉のリゾート・箱根を代表するクラシックホテル
日光金谷ホテルに遅れること5年。明治11年(1878年)に箱根・宮ノ下に誕生したのが富士屋ホテル。外国人専用ホテルを目指して建てられた一棟の洋館は、数々の増改築を経て、今や箱根を象徴する名門ホテルとなった。2020年には、2年間にわたる大規模改修を完了。木造建築の本館は、時代に合わせた快適性を実現しつつ、ノスタルジックな趣を残し、ロビーやラウンジは昭和初期の優雅な姿を取り戻した。もちろんラウンジの名物、かつてジョン・レノンが好んで食べたというアップルパイも健在だ。
90年以上にわたり親しまれてきた「メインダイニングルーム・ザ・フジヤ」は、朝食にはフルサービスのブレックファースト、ランチとディナーには創業当時のレシピを受け継ぐ正統派フレンチを提供。日本アルプスの高山植物636種が描かれた高さ6mの折り上げ格天井も、一枚一枚丁寧に修復された。本館に加えて、往時の華やかな趣をもっとも残す西洋館、日本初の室内温泉プールがある花御殿、箱根登山鉄道を望む高台に作られたフォレスト・ウイングのほか、約5,000坪にもおよぶ見事な庭園があり、絶好の散歩コースとなっている。
富士屋ホテル
神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下359
Tel./0460-82-2211
料金/1室1泊30,000円~(2名1室利用)※2024年4月現在
https://www.fujiyahotel.jp/
【奈良ホテル】数々の要人・著名人を迎えてきた関西の迎賓館
明治42年(1909年)、自然豊かな奈良公園の高台に、都ホテルの創業者でもある西村仁兵衛が開業。その後は日本政府、そして進駐軍に引き継がれ、戦後に民営化された。1922年のエドワード英国皇太子にはじまり、チャーリー・チャップリン、アルベルト・アインシュタイン、オードリー・ヘプバーンなど、長年にわたり各界の要人、セレブを奈良に迎える際の迎賓館としての役割を果たしてきた。本館は、東京駅や日本銀行本店などを手掛けた建築家・辰野金吾による優雅で荘厳な桃山御殿風檜造り。和と洋が調和した気品あふれるインテリアは、クラシックホテルの真骨頂だ。
本館にはかつて実際に使われていたマントルピース(暖炉)を残す客室もあり、家具や調度品は明治から昭和にかけてのそれぞれの時代の優雅さをまとう。「吉野建て」の建築様式を採用した新館は、全室が緑豊かな中庭に面していて、まるで森に包まれているかのようだ。創業当時から続くメインダイニングルーム「三笠」は、クラシックなフレンチレストラン。ビーフシチューなど伝統のスペシャリテの数々は必食だ。ソムリエが厳選するワインのコレクションも流石のラインナップ。優雅な空間で極上のマリアージュが楽しめる。
奈良ホテル
奈良県奈良市高畑町1096
Tel./0570-66-6088
料金/1室1泊26,000円~ ※2024年4月現在
https://www.narahotel.co.jp/
Text: Yuka Kumano Editor: Sakura Karugane