先日のグラミー賞授賞式で、20年ぶりにグラミー賞を受賞したカイリー・ミノーグ。赤いドレスに赤リップが似合っていた彼女を見て、その可愛らしさに驚愕した。55歳になった今も、相変わらずのスタイルとフレッシュさを湛えていたのだ。
カイリーと聞くと「懐かしい」と感じるアラフィフ以降が多いかもしれないけれど、今回受賞したシングル曲『Padam Padam』はZ世代に支持されたことで世界中でヒットし、“世代間逆輸入”的ブレイクを果たした曲。あのデュア・リパもカイリーに影響を受けたという。世代を超えて愛される歌姫、カイリー。その魅力の秘密を分析してみた。
現地時間2月19日にサンタモニカで開催された、ピープルズ・チョイス・アワード授賞式でライブパフォーマンスを披露したカイリーの動画を観て感じたこと。まず、声からしてキュートさが衰えていない。人は加齢によって声帯も衰えると聞いたけれど、これはカイリーがストイックに歌と向き合って来た成果なのだろう。人の印象における声が占める割合って、結構大きい。カイリーの声も彼女の美しさを構成する要素のひとつであることは間違いなさそう。
そしてカイリーといえば小柄なのにグラマーな体型がチャームポイントだけれど、スタイルが変わっていないのはもちろんのこと、全身の肌が滑らかで艶がある。変に鍛えたゴツゴツ感もなく、ふっくらとしたハリがある感じ。過去に彼女が『Sidney Morning Herald』に話したところによると、カイリーは抗炎症作用があるとされる食べ物を多く摂るようにしているという。
朝食には、アーモンドバターかカシューナッツバターを塗ったトーストと、キウイかベリー類とコーヒー。ランチには野菜と魚をグリルしたもの、夕食にはマグロとサラダ。ヘルシーなスペイン料理がお気に入りだとカイリー。英『The Mirror』紙のインタビューでは、パレオ・ダイエットを実践していることを明かしていた。多くのセレブも実践するこのダイエット法は、たくさんの野菜と果物、そしてタンパク質を摂取し、砂糖と乳製品は避けるというもの。「砂糖は私の友人ではないの」と彼女。これはカイリーが2004年に乳がんを患ったことももしかしたら関係しているのかもしれない。健康に気遣った食生活は、体調だけでなくメンタルや美容にもいい影響がある。彼女の肌や髪が若々しいのは、内側からヘルシーなライフスタイルを長年送っていることも大きいようだ。
彼女は美容医療の力を借りていることも隠さない。『MIND FOOD』では「コラーゲンを増やしてくれるタイプのレーザー治療が大好き。いい治療を受けられる、良い皮膚科医をみつけておくのは大切」だとコメント。とあるファッション誌では「ボトックスを色々試した」と言い、けれどその後『News of The World』では「私はもうボトックスはしないと思う。だから私の顔にはシワがあるはず」とも語った。リフト手術に着いては「そうするならば呪われるし、しなければ呪われる」と表現。セレブなので何らかの施術は受けているだろうけれど、今のところカイリーはとても自然に、素晴らしい歳の重ね方をしているように見える。
ワークアウトに関しては、「ピラティスをしているけれど、そんなにたくさんではないの。ほかの女性たちのように朝起きたら真っ先にエクササイズをするのに憧れるけど、私はそこまで自分を律することができなくて」、と『Star Magazine』に告白。『The Reddit』では「実は私にはルーティンがないの。ワークアウトに関してはすごく適当。それでも体型を維持できているのは、良く動くライフスタイルを送っているからと、母親からの遺伝子のおかげだと思う」、とも。あとはおばあちゃんからのアドバイスで、毎日10分は瞑想という名の、何も考えずに目を瞑りぼーっとする時間も大切にしているとか。
カイリーの伸びやかな美しさは、そんな彼女の大らかさを反映したもの。そしてそんな風にマイペースに自分らしく生きてきたカイリーだからこそ、50代半ばというタイミングでの再ブレイクを果たせたのかもしれないと思う。コツコツ毎日、自分に優しく、無理のない範囲でできることを続けて行く。仕事も美容も、そんなスタンスを意識して、長く緩やかに続けて行けたらいいよね。
Text: Moyuru Sakai Editor: Toru Mitani
