1. ウェアラブルに昇華した陶器肌
パット・マクグラスがメゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)の2024年春夏オートクチュールショーで披露し、瞬く間にビューティーシーンを席巻した陶器肌。マクグラスによるそれは日常の域を超えていたが、ここロンドンではよりウェアラブルに取り入れるためのヒントが多く見受けられた。
アーデム(ERDEM)のショーで輝いた美肌を支えたのは、111スキン(111SKIN)のエキスパートたちによるフェイシャル。ベースメイクの前に入念なケアを行うことで、伝説のオペラ歌手のマリア・カラスにインスパイアされた「ガラスのような、つややかな肌」が実現した。
Instagram content
This content can also be viewed on the site it originates from.
16アーリントン(16ARLINGTON)でも同様に「肌第一のアプローチ」が取られ、欠点のないドールライクな肌が主役に。メイクアップを手がけたローレン・パーソンズは、華やかなオケージョンウェアにファンデーションの厚塗りはいらないことを証明している。
2. 艶を纏わせたスリックヘア
ヘアではグラマラスなアップスタイルやフィンガーウェーブなど、ヘアスタイリストたちの技の競演が繰り広げられた。
リチャード クイン(RICHARD QUINN)では、サム・マックナイトが「80年代のオートクチュール」を意識し、優美なブライダルルックにマッチするアップスタイルを披露。美しい曲線を描くようふんわりとセットされた前髪が、コレクションのグラマラスなムードをより一層引き立てた。
Instagram content
This content can also be viewed on the site it originates from.
陶器ような艶肌に合わせたいのは、トル コーカー(TOLU COKER)で見られた60年代風フィンガーウェーブ。リード・ヘア・アーティストのエフィ・デイヴィスはナチュラルでモダンな仕上がりにするため、ウェーブを描いたウィッグにジェルを馴染ませ、自然乾燥させた後にスプレーを「染み込ませながら」全体に振ったという。こうすることで艶と形をキープしつつ、かっちりとした表情を程よく崩している。
Instagram content
This content can also be viewed on the site it originates from.
エミリア・ウィックステッド(EMILIA WICKSTEAD)では、イヴロム(EVE LOM)のスキンケアプロダクトで作った超スムーズな肌に、グロッシーかつエアリーなサイドパートが合わせられた。ヘアスタイリストのアリ・ピルザデは顔まわりや襟足の後れ毛を残し、全体をヘアスプレーでしっかりと固めることで絶妙なコントラストをプラス。クールなスリックバックに柔らかさを与えている。
3. 鮮やかなカラーで彩るステートメントアイメイク
コナー アイヴス(CONNER IVES)でのニュアンスの効いたくすみオレンジやポップなブルーや、SRVC スタジオ(SRVC STUDIO)でのレッドやオーロラなど、今シーズンは色とりどりのカラーが目もとを彩り、ワンランク上のステートメントルックを完成させていた。
ベビーブルーのアイシャドウはロンドンのいくつかのショーで登場したが、なかでも印象的だったのがコナー アイブスが提案したセピアとの組み合わせ。ルーシー・ブリッジはまぶた全体にアイシャドウを広げるようにのせ、オレンジブラウンのボリューミーなアイラッシュをON。インパクトとエレガンスを同時に叶えている。
Instagram content
This content can also be viewed on the site it originates from.
4. アイブロウメイクは芸術の領域へ
毎シーズン、その独創的なビューティールックにも熱視線が注がれるシモーン・ロシャ(SIMONE ROCHA)では、芸術とまでに昇華したデコラティブなアイブロウメイクが登場。キーメイクアップ・アーティストのトーマス・デ・クルーヴァーは、アーチに沿ってバラなどの花々を咲かせた。
Instagram content
This content can also be viewed on the site it originates from.
一方のジャワラ アレイン(JAWARA ALLEYNE)では、ささやかな煌めきを放つ繊細なシルバーのフォイルがアクセントに。クリスタベル・ライリーによるこのルックはメタリックアイライナーで簡単に再現できるのもポイントで、周囲を差をつけるアイブロウとしてブックマークしておきたい。
5. 一点投入で決まる、超ワイドなヘッドバンド
今シーズン用いられたヘッドアクセサリーのなかで、その頂点に君臨したのがシンプルなヘッドバンド。どんな寝癖もしっかりとカバーしてくれる超ワイドなスタイルがフェイスラインを縁取り、パオロ カルザナ(PAOLO CARZANA)、コナー アイヴス(CONNER IVES)、エスアールヴィーシー スタジオ(SRVC STUDIO)のビューティールックに焦点を当てた。シアーなメッシュスカーフからスポーティーなものまで、このアクセサリーは日常的にも使いやすく、一点投入するだけでシックに決まる。
Instagram content
This content can also be viewed on the site it originates from.
Text: Hannah Coates Adaptation: Motoko Fujita
From VOGUE.CO.UK