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マーティン・スコセッシ、クエンティン・タランティーノの監督引退にコメント

80歳のマーティン・スコセッシは、60歳で監督引退を表明しているクエンティン・タランティーノと立ち位置も手法も異なるという。

2023年10月、『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』のプレミアにて。

Photo: Michael Buckner/Getty Images

80歳にして、最新作『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』を公開したばかりの巨匠マーティン・スコセッシ監督。クエンティン・タランティーノが、60歳で監督引退を表明していることについて意見を求められ、立場が違うことから「何と答えてよいかわからない」と話した。『パルプ・フィクション』(1994)や『キル・ビル』(2003)などをこの世に送り出してきたタランティーノは、ずいぶん前から60歳になるまでに劇場作品を10本撮影したら映画界から引退する意向であることを公言してきた。ちょうど60歳になった彼は現在、最後の作品となる『The Movie Critic(原題)』に取り組んでいる。

これまでテレビドラマやミュージックビデオを含め、70本近くメガホンを握ってきたスコセッシは、オリジナルの作品を作ってきたタランティーノについて、「彼は作家だ」とAP通信のインタビューで語る。「立ち位置が違う。私は物語を読んでアイデアを思いつく。他者のストーリーに興味を惹かれるんだ。まったく意味合いが異なるし、方法も違う。プロセスも異なると思う。作家を尊敬するし、自分も書けたらと思う。部屋に籠って小説を書きたいと思うよ。映画じゃなくてね」

2019年、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のプレミアにて。

Photo: Gisela Schober/Getty Images

レオナルド・ディカプリオ主演のルーズベルト元大統領の伝記映画など、4作品を監督することがすでに決まっているスコセッシは、こう続ける。「今でもあらゆることに興味をそそられる。それが続ける理由の一つだ。何かに好奇心を抱いたら方法を探る。どうにかして映画にしようと考えるけど、そのためには興味を持つ対象が必要だ」という。彼のフィルムメイキングに何より大切な好奇心はまだあるとし、引退は考えていないことを明かした。そして、タランティーノや他のクリエイターについて語ることはできないと付け加えている。

Text: Tae Terai