2025年1月中旬、チェコ出身のモデルで作家のポーリーナ・ポリツィコヴァがアメリカの自宅からZoom越しに姿を現した。風邪気味だという彼女だが、聴覚障害のある愛犬ルートヴィヒとソファでリラックスしながらも、その輝きは健在。
それもそのはず。例えポーリーナが本調子でなかったとしても、その抜群の魅力は多くの人のベストの状態には遠く及ばない。エネルギッシュで、聡明、そして情熱的な彼女は、今回エスティ ローダーのグローバルアンバサダーとして新たな挑戦を始めたばかりだ。
このコラボレーションは、まさに時を超えたストーリーだ。1980年代、ポーリーナはエスティ ローダーの広告塔としてキャリアをスタートさせ、スーパーモデルとしての道を切り開いた。それから約35年の時を経て、再び同ブランドと契約を結んだ彼女は、インスタグラムで100万人以上のフォロワーを持ち、著書である『No Filter: The Good, the Bad and the Beautiful』を通じて、年齢を重ねる美しさを力強く発信している。60歳を目前にした彼女は、「すべての年齢で輝きたい」と願う女性たちにとって、インスピレーションとなる存在なのだ。
「そう、“また”エスティ ローダーと仕事をすることになりました! 初めてのときはスポークスモデルでしたが、今回はアンバサダーとして活動します。私にとってこの2つの異なる肩書きには、大きな違いがあります。今回エスティ ローダーが私に声をかけてくれたのは、単なるイメージとしてではなく、ありのままの私自身を評価してくれたからです。私のインスタグラムでは、どれだけフォトジェニックかを見せる美しい写真を投稿するのではなく、年齢を重ねることについて率直で正直な考えをシェアしています。女性として人生の異なるフェーズに入った時でも、私たちは依然として価値があります。ただ、その価値の表れ方が違うだけなのです」
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“永遠の若さ”ではなく、あらゆる人生のステージで輝く方法
ポーリーナの復帰により、彼女はスキンケア、メイクアップ、フレグランスといった全カテゴリーを代表することになるが、このパートナーシップは単なる製品にとどまらず、価値観の一致であることを強調する。「アンバサダー」という言葉にこだわるように、彼女にとってはこのパートナーシップにまつわる言葉の選び方が重要だ。ポーリーナは「アンチエイジング」という言葉を自分の名前や声と結びつけることはせず、どの年齢でも自分らしく輝ける方法を示すことに力を注いでいる。
今回のアンバサダー起用に際し、初めてエスティ ローダーの役員と会った際に彼女はこう伝えたという。「『まず第一に、私はアンチエイジング関連のことは一切やりません。もしそれが必要なら、今すぐこの場から立ち去ります』と話しました。すると全員が『わかっています。だからこそ、あなたにお願いしたのです』と答えてくれたんです」。エスティ ローダーは、業界にポジティブな変化をもたらそうとする新たなアンバサダーの意見に耳を傾けているようだ。
現在ポーリーナは、同ブランドの名品クリーム「リバイタライジング シュープリーム+ ユース パワー モイスチャライザー クリーム」の名称の「ユース(Youth)」を「ユー(You)」に変更するよう提案している。「彼らはちゃんと聞いてくれています」と彼女は語る。
常に自分らしさを貫くポーリーナは、このパートナーシップの目的と価値についても率直に語る。「私は女性たちがありのままの自分を受け入れる力を持てるようにエンパワメントしています。製品を販売することを目的とした化粧品会社と提携しながら......。この矛盾については理解しています。でも、それが現実なんです」と彼女は認める。しかし、彼女は自身の製品への情熱についても隠すことはない。インスタグラムをフォローしていれば、彼女のお気に入りのメイクやスキンケア製品についてよく知っているはずだ。
「私は自分がベストな状態に見えることが好きです」と彼女は笑顔で語る。「メイクが大好きなんです! 遊び感覚で行えるし、喜びをもたらしてくれます。スキンケアについても、シワを受け入れているとはいえ、肌にツヤがあって、今の自分を反映した状態でいたいのです。エスティ ローダーの製品が大好きで、欠かさず使っていますよ」
ポーリーナにとって、こうした率直さこそが良きアンバサダーである理由だ。「私は正直だからこそ、製品がどんなものかをお見せするのに最適な存在なんです。エスティ ローダーとの取り組みを決めて以来、昨年の5月からずっと、顔にはエスティ ローダーの製品しか使っていません。それだけ真剣に取り組んでいます。エスティ ローダーの製品がどんな効果をもたらすか、正直で信頼できる例だと思っています」
Text: Jessica Diner Translation: Makiko Yoshida
FROM VOGUE.UK
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