メットガラの常連には、レッドカーペットでいつもファッションのファンタジーを届けてくれる人がいる。今年で4回目の参加となるペネロペ・クルスは、まさにそんな一人だ。
今夜クルスが身に纏ったのは、シルクタフタとチュールのトレーンが一面に広がるシャネル(CHANEL)のオートクチュールドレス。ドレスコードである「The Garden of Time(時間の庭)」をさりげなく、そしてセンスよく表現したエレガントなルックには、黒とシルバーの8種類のフランス製フローラルレースがあしらわれており、制作に500時間以上を要したという。
今年のメットガラについて、「さまざまなアイコニックなヴィンテージピースからインスパイアされ、『眠れる美女』たちを再び目覚めさせるようなデザインを作るための、素晴らしい機会だと思いました」とクルス。ルックについて尋ねると、こう答えた。「1950年代のシャネルのアイコニックなドレスのシルエットがインスピレーションです。それから、ヴィルジニー(・ヴィアール)の2020年春夏オートクチュールコレクションで使われていた、黒とグレーのレースの組み合わせもとても気に入りました」
華やかさを加えるため、クルスはシャネルのハイジュエリー コレクション「TWEED DE CHANEL」からアクセサリーをセレクト。ホワイトゴールド、ダイヤモンド、カルチャード・パールでデザインされた「ツイード パステル」ネックレスとブレスレットのほかにも、ホワイトゴールドとダイヤモンドのリングが添えられていた。
過去数年にわたり、メットガラでは常に洗練されたファッションの数々に身を包んできたクルス。2019年に着用したシャネルの1987年春夏オートクチュールコレクションからのアーカイブピースや、2011年のオスカー・デ・ラ・レンタ(OSCAR DE LA RENTA)によるフェザートリムガウンまで、エレガンスこそが彼女のスタイルモットーであることは明らかだ。
今年に入ってフィッティングをしたとき、彼女はこのドレスしかないと感じたそうで、その想いをこう語っている。「私はヴィルジニー・ヴィアールが手がける作品の大ファンです。彼女のコレクションを着られるというのは夢のようなこと。彼女が今夜のために制作したドレスは本当に壮麗。そんな一着を着ることができ、私が小さい頃から大好きだったメゾンの一員でいられるというのは、とても特別なことです」
Text: Christian Allaire Adaptation: Motoko Fujita
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