自然体でいられる香りの奥に肌のぬくもりを感じさせて
日本人は嗅覚が繊細が故にさりげない香りを好む傾向があるとフレグランスエキスパートの藤井さんは語る。「私たちは今、情報化社会の只中で交感神経優位のまま長時間を過ごします。世界情勢も不安定ですから、フレグランスに安らぎを求める人が多いのは必然と言えるでしょう」
シトラスやハーバル、ウッディなど、精油のフレグランスが最近人気を集めている理由もそこにある。植物がくれる安心感もいいけれど、さらにひとさじのセンシュアリティを感じさせたいなら?「幼少期に親しんだお茶やデザート、シーツのぬくもりなどノスタルジックな香りを選ぶといいです」。香りは記憶と密接に結びついているという。懐かしさを感じる香りにはぬくもりの記憶が紐づくから相手もきっと心を許すはず。「まとうパーツは心臓に近い上半身や二の腕の内側などパーソナルに香りを楽しめるエリアが◎。その際、汗をかきやすいデコルテは避けて。汗は香水の香りを変容させてしまいます」
話を聞いたのは……
HIROKO FUJII
藤井裕子。レ・ムエット代表、フレグランスエキスパート。調香技術取得後、フレグランスやウェルネスビューティーに特化したPRとして活動。香水ビジネスにおけるコンサルティング業務もう。香水業界歴25年以上、手がけたブランドは70を超える。
問い合わせ先/ノーズショップ 050-2018-6146
ル ラボ お客様相談室 0570-003-770
Text: AYANA Editor: Risa Yamaguchi
※『VOGUE JAPAN』2024年12月号「香水と肌、そして色香の関係性」転載記事。
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