そもそもアレルギーとは何か?
アレルギーとは、ある物質に対して体が拒否反応を起こし、体に不都合な症状が出ること。症状が出る部位や出方によって、さまざまな病気を引き起こす。
よく知られている花粉症は、鼻にアレルギー症状が出るもの。アレルギーが皮膚に出ると、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、薬疹、接触皮膚炎(かぶれ)などになる。
アレルギーを引き起こす原因物質(抗原)は、大きく3つに分けられる。
・吸い込むもの
ダニ、ホコリ、カビ、ペットの毛、花粉など。呼吸器から、からだの中に入る。
・触れるもの
植物、化粧品、洗剤、金属など。皮膚の表面に直接触れて、からだの中に入る。
・食べるもの
卵、牛乳、大豆、小麦粉、米など。消化器から、からだの中に入る。
アレルギーの原因物質は、年齢とともに変化。乳児期は食べもの、幼児期・学童期はダニやペット、青年期・成人期は花粉が多いとされる。
アレルギーに悩む人は増えていると耳にするが、実際はどうなのだろう?
「アレルギーの患者数は増加しています。その一因として、以前よりもアレルギーの診断技術が向上したことが挙げられます。また、近年の家屋は機密性が高く、ホコリやダニが繁殖しやすくなっていることも影響しているかもしれません」と、野村皮膚科医院院長の野村有子先生は答える。
ポリエステルの肌着で、“ポリポリ”かゆい肌に!
ここからは、皮膚のかゆみやアレルギーに関して、ぜひ知っていただきたいことをお伝えする。
一つ目は、新素材の肌着が、肌荒れやアレルギーの原因になり得るということ。「機能性下着など、汗を吸わない化学繊維には注意が必要です。こういった素材は汗を吸収しないため、かいた汗が肌に残ったままとなり、肌が荒れやすくなるのです。背中にニキビができる人の多くは、化学繊維の肌着を着用しています。『ポリエステルやポリウレタンなどの肌着は”ポリポリ”かゆくなりますよ!』と、よく患者さんに忠告しているんですよ」
肌着や寝巻きなど、肌に直接当たるものはコットンやシルクなど自然繊維を選ぶのがおすすめだ。なお、野村先生は天然繊維のコットンを使用したFleepの肌着や部屋着を愛用しているそう。
アトピーはストレスで悪化する
二つ目は、肌のアレルギーであるアトピー性皮膚炎は、ストレスによって悪化すること。アトピー性皮膚炎でもっとも厄介なかゆみは、ストレスと深い関係があることが分かっているのだ。
ストレスによりホルモンのバランスが崩れると、色々な化学物質がかゆみの受容体を刺激する。そして、知覚神経の末端からサブスタンスPなどの物質が放出されて、肥満細胞を刺激し、かゆみの元となるヒスタミンが分泌。かゆみが強くなる。さらに、ストレスにより体内の新陳代謝が衰えると、皮膚のターンオーバーが乱れてカサつきが強くなり、かゆみの元となる酸化物質が増え、かゆみはさらにひどくなる……というメカニズムだ。
なお、アトピー性皮膚炎の比較的新しい治療法として注目されているのは、デュピクセント。アトピー性皮膚炎の皮疹やかゆみの原因をブロックする効果のある、注射薬だ。さらにアドトラーザやイブグリースという新しい注射薬も開発され,アトピー性皮膚炎の治療選択肢は増えている。なかでもデュピクセントは,2023年に生後6ヵ月以上の乳幼児にも適応拡大された。
3歳までのスキンケアで一生決まる
肌のアレルギーに悩んでいる人は、こんな辛い思いを子どもにはさせたくないと考えるだろう。三つ目は、アレルギー対策は小さい頃からすることが大切、ということをお伝え。「3歳までのスキンケアで一生決まる」という説があるのだ。
3歳くらいまでに肌トラブルを繰り返すと、大人になってからの肌質に影響を与えてアレルギーを発症してしまうことがある。小さい子どもの肌機能は未熟で成長途上。バリア機能が弱いため十分なケアが必要だと、先生は話す。
「皮膚を清潔にし、保湿することで皮膚を健康に保てます。ミルクを飲んだ後は口の周りをきちんと拭く、赤ちゃんは汗をたくさんかきますのでそれも拭く。また、少しでも肌のカサつきやざらつきを感じたら、保湿クリームなどを塗って早めにケアしてあげましょう。母親か父親のどちらかにアトピー性皮膚炎や花粉症、喘息があったりすると、子どもがアレルギーを持つ確率も上がります。その場合は特に入念にケアしてあげてください」
話を聞いたのは……
野村有子先生
医学博士、皮膚科専門医、野村皮膚科医院院長。慶應義塾大学医学部卒業。アトピー性皮膚炎をはじめとするさまざまな皮膚の病気の診断、治療を行う。一人一人の患者を大切にした適切できめ細かな指導をしようと、1998年に野村皮膚科医院を開業。
Text:Kyoko Takahashi Editor:Kyoko Muramatsu, Yuna Shibata
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