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テイラー・スウィフト、「キャリアの終わり」のように感じた騒動を語る

テイラー・スウィフトが、「キャリアの終わり」を意識するほど追い詰められた騒動について語った。
Photo: James Devaney/GC Images

タイム』誌の恒例となっている「今年の人」に選ばれたテイラー・スウィフト。2023年に世界に最も大きな影響を与えた一人に選出された彼女が、特集号のカバーストーリーでカニエ・ウェストとキム・カーダシアンによって精神的に追い詰められたことを明かした。テイラーとカニエの因縁は、2009年のMTVビデオ・ミュージック・アワードまでさかのぼる。最優秀女性ビデオ賞に輝いたテイラーが受賞スピーチをしていたところ、カニエが突然マイクを奪い、ビヨンセのほうが相応しいと主張。この暴挙は批判を浴び、渦中のビヨンセもテイラーを擁護して、カニエの謝罪をテイラーが受け入れる形で収まった。

しかし2016年、カニエが楽曲「Famous」でこの件に触れ、「テイラー・スウィフトは俺とセックスする気がする/俺があのビッチを有名にしたから」と歌ったことで再燃した。事前にテイラーから許可を取っていたと主張するカニエに対し、テイラーは「ビッチと呼ばれるなんて聞いていない」「曲をSNSで取り上げてくれと言われたから断っただけ」と反論したが、キムがテイラーとカニエの電話を無断で録音し、編集を加えたものを公開したことで、テイラーは世間から嘘つき呼ばわりされてしまう。これは、のちに未編集の映像が公開され、カニエとキムの主張が嘘だったことが明らかになっているが、テイラーは当時の世間の反応を振り返り、「キャリアの終わり」のようだったと語る。

2015年のグラミー賞にて。

Photo: Larry Busacca/Getty Images

「商業的に確立された世界で仕事をしている中で、私を嘘つき呼ばわりさせるために違法に録音した会話をキム・カーダシアンが編集して公開した」「これまで経験したこともないほど、精神的に追い詰められた」と苦しい胸の内を明かした。「異国に移住し、1年間借りた家から外に出なかった。電話に出るのも怖かったし、身近な人も遠ざけた。もう誰のことも信じられなかったから、本当に本当に辛かった」

当時、彼女は世間から「嘘つき」や「蛇(信用ならないずる賢い人を象徴する)」と非難されたが、このつらい期間を経て発表したのが通算6作目となるアルバム『reputation(レピュテーション)』だった。これまでの優等生のイメージを覆す、リベンジをテーマにした楽曲の数々は衝撃を与え、評価は二分した。テイラーは「当時受けた批判が一生、私にネガティブな印象を与えると思った」と振り返っている。

こうした経験を経て、彼女は仕事に集中し、アーティストとして屈せずにやり通すことを学んだそうだ。「こうしていられることに常に感謝するよう心に留めています。一度は奪われた経験があるから」と話し、前向きな姿勢を見せる。「一つ、学んだことがあります。良きにしろ悪しきにしろ、起きたことに対して、私はものを作り続けること、アートを作り続けることで返していく」。さらに大きな学びを得たようだ。「それにもう一つ、学んだことがあります。敵を倒そうとしても意味がない。ゴミはいつでもあずかり知らないところで出てきてしまうんです」

Text: Tae Terai