2月10日(現地時間)、トリー バーチ(TORY BURCH)は、MoMA(ニューヨーク近代美術館)で2025-26年秋冬コレクションを発表した。MoMAは、2019年に大規模なリニューアルを終え、現代アートの新たなエネルギーを感じさせる場所。創業者のトリー・バーチ自身がアートやデザインへの強い愛情を持っていることから、この場所でのショー開催は自然な選択だったのだろう。
トリー・バーチは常に女性たちの声に敏感であり、見た目の美しさだけでなく、女性たちがどのように自分を表現し、社会で自信を持って活躍できるかということを大切にするデザイナーだ。現代の女性たちは、自分なりの「クラシック」を求め、長く愛用できるアイテムを選ぶ傾向が強まっており、そのニーズもキャッチ。また、現在CEOを退き、クリエイティブに集中していることから、ここ数シーズンのコレクションには新たなエネルギーとアプローチを吹き込み、女性たちのためにさらに進化した美的価値を提供している。
今シーズンは、アメリカンスポーツウェアに着目し、文字通り、比喩的に、「ひねり」を加えて解釈。例えば、定番アイテムであるカーディガンの袖には大胆な切り込みが入り、ねじられて、肩部分でピン止めされている。シャツドレスは身体にフィットするよう、スパイラル状に構築され、しなやかでありながらも力強さを感じさせる仕上がりに。ボックス型ジャケットには多数のポケットが配置され、遊び心と機能性が融合している。
素材の使い方にも意外性があり、コレクションの大きな特徴に。起毛ジャージー素材を使用したスウェットパンツ、コーデュロイのドレス、ニードルパンチのウールで作られたクォータージップのフリースなど、親しまれたアイテムに予想外の素材が採用され、従来の枠にとらわれない新しいスタイルが提案された。ジャケットにスウェットパンツを組み合わせるスタイリングもひねりが効いている。
過去数シーズンに登場したエイリアンやタコに続き、新たなキャラクターも登場。彼女のオフィスに住む小さなねずみは、ドレスやタイツにさりげなく取り入れられ、くすっと笑いを誘うアクセントに。
リラックスしたムードの中に70年代のエッセンスを取り入れることで、全体に華やかな雰囲気が漂う。肩まで垂れたチェーンのイヤリング、ゴールドカラーのサングラス、時計のストラップ風のブレスレットなど、70年代のきらびやかさがコレクションに一層深みを与えている。
昨シーズンに登場したパンプスは、歪んだTストラップをあしらったサンダルとしてカムバック。乗馬ブーツとモンクストラップシューズは、極端に細長い尖ったつま先が特徴となっており、トリー・バーチらしいユニークなシルエットが光る。自由で個性的なスタイルを追求しながら、着る人の自信と個性を引き立てるアイテムが揃い、「新しいクラシック」を定義するコレクションだ。
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Photos: Courtesy of Calvin Klein Collection Text: Maki Saijo