8月30日(現地時間)にイタリアで開幕する第80回ヴェネチア国際映画祭のラインナップが、発表された。全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキの影響で、オープニング作品に予定されていたゼンデイヤ主演のルカ・グァダニーノ監督作『チャレンジャーズ(原題)』の出品が直前に取り止められたが、デヴィッド・フィンチャーやソフィア・コッポラ、マイケル・マン、ブラッドリー・クーパー、ウェス・アンダーソンなど、アメリカの人気監督の作品が出揃った。
芸術監督を務めるアルベルト・バルベーラは、「大手スタジオやストリーミングサイトの作品に出演するSAGの組合員は出席しない」としつつ、独立系の作品に出演する俳優たちが出席してくれることを期待していると述べている。
コンペティション部門には、レナード・バーンスタインの伝記映画『マエストロ: その音楽と愛と』や『プリシラ(原題)』、『フェラーリ(原題)』に加え、『グローリー/明日への行進』で知られるエヴァ・デュヴァネイの『オリジン(原題)』が、黒人女性監督の作品として初選出。アメリカ以外からは、ヨルゴス・ランティモス監督がエマ・ストーンと再びタッグを組んだ『哀れなるものたち』、パブロ・ラライン監督の『エル・コンデ(原題)』、日本からも『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督による新作『悪は存在しない』で初めて選出された。
賞を競わないアウト・オブ・コンペティション部門には、ウェス・アンダーソン監督による39分のコメディ短編映画『ザ・ワンダフル・ストーリー・オブ・ヘンリー・シュガー(原題)』や、リチャード・リンクレイター監督の『ヒットマン(原題)』などが出品される。同ノンフィクション部門では、今年3月に逝去した坂本龍一の長男で映像作家の空音央が手がけた『Ryuichi Sakamoto | Opus』が上映されるほか、塚本晋也監督の最新作『ほかげ』がオリゾンティ部門に選出された。
また、このところ性的暴行疑惑やセクハラ疑惑が取り沙汰されているリュック・ベッソン監督の『ドッグマン(原題)』がコンペティション部門に、ロマン・ポランスキー監督の『ザ・パレス(原題)』とウディ・アレン監督の『クー・ド・シャンス(原題)』がアウト・オブ・コンペティション部門に選ばれている。
第80回ヴェネチア国際映画祭は、イタリア・ヴェネチアのリド島にて2023年8月30日から9月9日まで開催される。コンペティション部門出品作品は以下の通り。
『コマンダンテ(原題)』エドアルド・デ・アンジェリス(オープニング作品)
『ザ・プリミスド・ランド(英題)』ニコライ・アーセル
『ドッグマン(原題)』リュック・ベッソン
『ラ・べート(原題)』ベルトラン・ボネロ
『オー・セゾン(原題)』ステファヌ・ブリゼ
『エネア(原題)』ピエトロ・カステリット
『マエストロ(原題)』ブラッドリー・クーパー
『プリシラ(原題)』ソフィア・コッポラ
『フィナルメンテ・ラルバ(原題)』サヴェリオ・コスタンツォ
『ルボ(原題)』ジョルジョ・ディリッティ
『オリジン(原題)』エヴァ・デュヴァネイ
『ザ・キラー』(原題)』デヴィッド・フィンチャー
『メモリー(原題)』ミシェル・フランコ
『イオ・キャピターノ(原題)』マッテオ・ガローネ
『悪は存在しない』濱口竜介
『ザ・グリーン・ボーダー(英題)』アグニェシュカ・ホランド
『ザ・セオリー・オブ・エブリシング(原題)』ティム・クレーゲル
『哀れなるものたち』ヨルゴス・ランティモス
『エル・コンデ(原題)』パブロ・ラライン
『フェラーリ(原題)』マイケル・マン
『アダージオ(原題)』ステファノ・ソッリマ
『ウーマン・オブ(英題)』マウゴジャタ・シュモフスカ、ミハウ・エングレルト
『ホーリー(原題)』フィエン・トロシュ