BEAUTY / TRENDS

ミラノ発、2021-22秋冬のビューティートレンドキーワード6。

2021年秋冬ミラノコレクションの、ヘアメイクトレンドは? モスキーノのグラフィカルなアイメイクやフェンディのサイドパートヘアなど。最新ルックからいち早くチェックして!

今シーズンのミラノファッションウィークで目立っていたのは、世界で起こっている事象に対する反逆精神だ。たとえばフェンディ(FENDI)ジョルジオ・アルマーニ(GIORGIO ARMANI)ヴァレンティノ(VALENTINO)は、1週間前にTikTokにてサイドパートが葬られたことに対する反抗を示すかのようにサイドパートを登場させている。モスキーノ(MOSCHINO)マックス・マーラ(MAX MARA)の大胆なグラフィックアイも然り。ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE & GABBANA)のTikTokを歯切りにトレンドとなっているeガールをイメージしたカラーや、サルヴァトーレ・フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)の反体制的なSFへのオマージュにもその傾向は見られた。

一方でナチュラルビューティーを讃えるミニマルなメイクアップも目立ち、先シーズンに続くバングスを作るトレンドも衰えを知らない勢いだ。

1. 再注目のサイドパート。

最近、TikTokでティーンエイジャーたちがサイドパートをシニア層のスタイルだと全否定したことが話題に上がった。ありがたいことに伝説のヘアスタイリスト、ギド・パラウはそれに異を唱え、フェンディのショーではサイドパートを前面に押し出した。横に流す前髪をバレッタで留めたスタイルは、若々しく新鮮さに溢れている。ヴァレンティノでもサイドパートのボブが見られ、アルベルタ フェレッティ(ALBERTA FERRETTI)ではアシンメトリーのクロップスタイルとして登場。TikTokの情報だけを鵜呑みにしてはいけないことを物語っていたと言えるだろう。

2. エッジを効かせたグラフィカルアイ。

マスク姿が社会の日常となった今、飛び交うのは「目を強調して!」というメッセージだ。そして今シーズンは、それを実現するためのインスピレーションに溢れている。モスキーノとの長年のコラボレーションで知られるKabukiは、同メゾンのショーで目の周りに存在感のあるブラックラインとホワイトのアイライナーをあしらい、往年のハリウッド女優的雰囲気に斬新さをプラスした。一方、フィロソフィ ディ ロレンツォ セラフィニ (PHILOSOPHY DI LORENZO SERAFINI)は、グラフィカルなアウトラインとくるりとはねたアイラインで、懐かしい雰囲気のスクールガールルックにエッジを効かせている。

3. バリエ豊かな重めのフリンジバングス。

ミラノでは、春夏に続きさまざまな形のバングスが登場した。ドルチェ&ガッバーナはエレクトリックブルーやバブルガムピンクのマイクロバングス、マルニ(MARNI)はエフォートレスなスパイラルカールを披露したかと思えば、トッズ(TOD’S)エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)では目に刺さりそうなくらいシャープなカット。スポーツマックス(SPORTMAX)やサルヴァトーレ・フェラガモは伸びっぱなしのフリンジ的な前髪をチョイスした。ヴァレンティノにいたっては、そのすべてをショーに取り入れていた。

4. クリーンでモダンなスリックバック。

流れるようなラインでスマートに、まとめ髪をすっきりと見せるスリックバックは、夏のスタイルだと思いがちだが、ミラノでは冬のヘアスタイルとして新解釈を与えられている。たとえばポーツ 1961(PORTS 1961)ではジェルで固めたきつめのシニヨンにして、オケージョンを選ばないモダンさを完成させている。プラダ(PRADA)では、一部の髪を耳の上でまとめた妖精のようなスタイルでサブカルチャー的ムードを演出。そして、ザニーニ(ZANINI)ではサイドに流しきっちりと撫で付け、フレッシュでフェミニンな印象を与えた。

5. 本来の自分に立ち返るミニマルメイク。

新鮮な魅力が溢れていたミニマルなメイクアップ。ナチュラルビューティーを讃える姿勢は、エフォートレスという観点で共感を呼ぶ。世界的なロックダウンの渦中、私たちが求めている、“リラックスしながら本来の自分に立ち返り自分を受け入れる”というスタンスをまさに体現したトレンドといえるだろう。

6. リップに違和感のある色を。

意外性で注目を集めたのは、リップだった。クラシックなレッドや魅惑的なベリーカラーはもう過去のものになったようだ。ドルチェ&ガッバーナは鮮やかなブルーやグリーンをチョイスし、TikTok層の女の子たちのテイストを見事に取り入れていた。また、サルヴァトーレ・フェラガモはリップラインにシルバーを用いて、SFムードをさりげなくプラスしていた。

Photos: Courtesy of brands (Emilio Pucci, Fendi, MSGM, Philosophy di Lorenzo Serafini, Ports 1961, Prada, Salvatore Ferragamo), Gorunway.com (runway) Text: Tish Weinstock