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今季は東京の街中でも、ミニスカートを履いた女性をよく見かける。ハリウッドでも、オーバー40のセレブたちが果敢にミニスカートを着こなしているようだ。しかし、同じミニスカートでも着こなしによっては称賛されることもあれば、批判されることもある。その違いは一体何なんだろう。54歳のニコール・キッドマンが2022年2月発売の『Vanity Fair』誌カバーでプリーツのミニスカートを履いたスクールガール風ルックが、年齢相応ではないと世間から批判されたのも記憶に新しい。なぜニコールは批判されてしまったのだろうか。
「50代には50代に相応しい装いがあるのに、なぜ10代のような服装をしたがるのだろう」というのが、インスタグラムに書き込まれた批判が主のよう。ウエストも脚もすらりと引き締まっている見事なスタイルにも関わらず、「若作り」と捉えられたことが反感を買ってしまったらしい。しかしこの衣装は編集部の意向ではなく、ニコール自らが「これが着たい」と選んだ衣装だった。豪『VOGUE』5月号のバズ・ラーマン監督との対談インタビューで、ニコールはこの撮影のことを語っている。現場で編集部が用意した衣装の代わりに「このルックが着たい」と主張したものの、撮影が終わって帰るときになって「私は一体何をやっていたんだろう」と後悔の念でいっぱいになったと述べた。「でも、『まあいいか』と思ったのよね」と、ニコール。バズはこれに対して、「君のその行為自体がエイジズム(年齢差別)が根強いハリウッドにおいて意味のあることだ」と称賛した。たしかに、年齢で着るものを、周りの人からとやかく言われるのは気持ちがいいものではない。
一方、「素敵!」と注目を浴びたのは、ペネロペ・クルス(48歳)のミニスタイル。6月にイタリアで開催されたシャネルのショーのフロントロウで、全身シャネルのキュートなルックを披露。シックなブラック・コーデにアップヘアとヌーディなリップがお似合い。可憐さの中にもマダムの余裕が漂うミニの着こなしが見事だ。ニコールもペネロペもスタイルは抜群。それなのにニコールのルックは大衆の憧れとはならなかった。結局、大人世代のミニスカートは、エレガンスが重要だということなのか。もちろんどんな服を着用しようと自由なのだけど、年齢を重ねたからこそのインテリジェンスや抜け感がある着こなし、つまり多少の貫禄がある方が、「さすが」と思わせられるのは、ミニスカートだけじゃなく、ファッションすべてにおいて言えること。ミュウミュウのルックそのままを着たニコールには、「ニコールらしさ」が感じられなかったから、共感を得られなかったのかもしれない。