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アダム・ドライバー、飢えと試練に耐える宣教師を演じた『沈黙』。【役作りで体重を増減させたセレブvol.3】

役作りのために壮絶なダイエットをする役者は少なくないが、常に空腹を感じながら演技するのは決して容易ではない。『スター・ウォーズ』シリーズのカイロ・レン役で知られるアダム・ドライバーは、『沈黙 -サイレンス-』の撮影中、身体的にも精神的にも極限の状態だった。
Photo: Everett Collection/AFLO

マーティン・スコセッシ監督作『沈黙 -サイレンス-』(2016)で、イエズス会の修道士ガルペを演じたアダム・ドライバーは、51ポンド(約23キロ)という大幅減量で撮影に臨んだ。舞台は17世紀で、ポルトガルから日本への旅には2年もの時間が費やされた時代。酷な旅で心身ともに疲弊し、日本にたどり着いてからはキリシタンを弾圧する幕府に囚われ、さらに過酷な環境に追い込まれる様をリアルに表現するために、アダムはとにかく食べないことを徹底したそう。

クランクイン前に30ポンド(約14キロ)落とし、撮影を進めながら、時にはダイエット・ピルも服用しながら、さらに体重を落としていったが、体が思うように動かせないのはもちろん、ものを考えることすら困難になり、何かを言われても反応を示すのがやっと、という状態だったという。もともと高い頬骨が、さらにくっきり見えるほど顔が細くなり、裸になると肋骨が浮き出た姿は痛々しかったが、ガルペ同様に飢餓状態を経験することが演技に役立ったという。

Photo: Everett Collection/AFLO

撮影が終わって、スプーン1杯のピーナッツバターを口にした時には、脳が動き出す感覚があったそう。ただ、直後にドラマ「GIRLS/ガールズ」のファイナル・シーズンの撮影を控えていたため、1カ月で元の体型に戻さなくなてはならなかった。だが、さすがに間に合わず、体の細さを隠すためにセーターを何枚も着込んだそうだ。ちなみに主役のロドリゴ神父を演じたアンドリュー・ガーフィールドは、48ポンド(約22キロ)減量して撮影に挑んでいる。

Text: Yuki Tominaga