『ダラス・バイヤーズクラブ』(2013)でアカデミー賞主演男優賞を受賞したマシュー・マコノヒーは、エイズで余命わずかのロデオカウボーイを演じるために40ポンド(約18キロ)も減量した。食事は1日2回、魚と野菜を食べるという方法。栄養面では比較的問題なさそうだが、実は1回につき、魚は約140グラム、野菜はカップ1杯という少量。夜はワインも多少飲んでいたそうだが、1週間で4ポンド(約1.8キロ)減量を目標に、エクササイズで毎日1800カロリー消費していたという。
2週間で8ポンド(約3.6キロ)落としたが、ケガをして1週間程エクササイズは休み、それでも4ポンド(約1.8キロ)減量できた。その後も運動をせずに同じペースで体重は落ちていったそう。撮影が近づくと、ダイエットは「朝に卵白2個分と小さなスプーン1杯のタピオカ、ダイエットコーク、夜にチキンとダイエットコーク」とさらに厳しいものになり、その頃は1週間で7ポンド(約3キロ)減っていた。身長182センチで135ポンド(約61キロ)まで体重を落としたというが、マシューは短期間の大幅減量の経験を「楽しい冒険だった」と振り返っている。
同作で主人公とともにエイズ治療薬の治験に協力するトランスジェンダー、レイヨンを演じたジャレッド・レトは、本作でアカデミー賞助演男優賞を獲得している。彼もまた減ヤセに成功し、30ポンド(約13.5キロ)の減量の末、116ポンド(約52キロ)近くまで体重を落とした。ちなみにジョン・レノンを殺害した犯人を演じた『チャプター27』(2007)では、67ポンド(約30キロ)増量。
べジタリアンの彼はその増量中には、アイスクリームに醤油とオリーブオイルを混ぜて電子レンジで溶かしたものを毎晩飲んでいたのだそう。急激な増量により、歩行困難で車椅子のお世話になるほどだった。撮影終了後10日間、水とレモンとカイエンペッパーだけで過ごして20ポンド(9キロ)落としたが、その後1年経ってもまだ体調が優れなかったそうだ。
Text: Yuki Tominaga