『女王陛下のお気に入り』(2018)などに出演するジョー・アルウィンが、ドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルとともに『ヴァラエティ』の対談企画「アクターズ・オン・アクターズ」で、性的描写の撮影は「安心できる現場であるべき」と語った。
ジョーはアイルランドの作家サリー・ルーニーの小説を原作とするドラマ「Conversations With Friends(原題)」、そしてとポールは「ノーマル・ピープル(ふつうの人々)」にそれぞれ出演し、大胆なインティマシー・シーン(性的描写のある場面)を演じたが、監督によって撮影の手法はかなり異なるそうだ。
ジョーはこう話す。「『Conversations With Friends(原題)』では、インティマシー・コーディネーターがいて、撮影の前に話し合い、リハーサルをしてくれていた。すべてはダンスや戦闘シーンの振り付けのようだった。外部から遮断されていたから、その中には自由があった。逆に(『Stars at Noon』では)監督のクレールを信頼し、スタッフを信頼して撮影した。それに当然、相手役のマーガレット(・クアリー)のことも。安心して撮影ができた。信頼と安心が重要だと思う」
現在エンターテイメント業界では、性的描写のある場面を撮影する際に、製作側と俳優に間に入って調整する専門職インティマシー・コーディネーターの存在に注目が集まっている。身体的、精神的にサポートすることで、弱い立場に置かれ勝ちな俳優の尊厳を守り、演出の意図や指示を明確にすることができる一方で、俳優同士のケミストリーが失われ、つまらない仕上がりになるのではないかとの声もある。
ポールは「信頼と安心、絶対にそこが重要だ」として、こう続けた。「君の言う通りだと思う。性的描写のある場面を生気のないものにしたいわけじゃない。だけど、安心して挑めることは絶対条件だ。そして安心だと感じるにはいくつも方法があるけど、信頼していないと無理だ」
Text: Tae Terai
