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サラ・ジェシカ・パーカー、リンカーン大統領夫人の黒人デザイナーにオマージュを捧げる。【メットガラ2022】

メットガラではドレスコードを遵守し、並々ならぬヘッドピースに対するこだわりを見せてきたサラ・ジェシカ・パーカー。今年はクリストファー・ジョン・ロジャーズ(CHRISTOPHER JOHN ROGERS)に依頼し、19世紀後半に活躍した黒人デザイナーのエリザベス・ホブス・ケックリーをインスピレーション源とするドレスで登場した。
メットガラ、サラ・ジェシカ・パーカーSarah Jessica Parker attends The 2022 Met Gala Celebrating In America An Anthology of Fashion at The...
Photo: Cindy Ord/MG22/Getty Images for The Met Museum/Vogue

メットガラの常連であるサラ・ジェシカ・パーカー。19世紀末後半のギルディッド・エイジ(金ぴか時代)から着想した今年のドレスコード「Glided Glamour(金色に飾られた魅力)」に合わせ、彼女はデザイナーのクリストファー・ジョン・ロジャースとともにルックを作り上げた。 「サラは本当にファッション好きで、歴史家でもあります。ドレスを作っていて本当にワクワクしました」とロジャースは言う。「彼女は着るものすべてに意図を持たせる人なんです」

ギンガムチェックも、シルエットも誇張。

Photo: Alyssa Arminio

サラの装いは、エイブラハム・リンカーン大統領夫人のドレスをデザインし、黒人女性ファッションデザイナーとして歴史を作ったエリザベス・ホブス・ケックリーにオマージュを捧げるものだ。1860年にバージニア州からワシントンDCに移住した元奴隷のケックリーは、メアリー・トッド・リンカーン大統領夫人のドレスメーカーになった。「彼女の活動は小規模で、あまり語られることのない人物でした。今回のドレスのデザインでは、当時の贅沢で大げさなプロポーションと、当時のアメリカで起きていた格差の二面性を強調しようと考えました」

2人がコラボレーションを始めるにあたり、最初に注目したのは、ケックリーが1860年代に作られたケープと、黒と白のギンガムチェックのガウンだった。「私たちは格子柄やタフタで知られているので、ここが出発点になりました」と語るロジャースは、白黒のフィットしたトップスとトレーン付きのボールガウンスカートをデザインした。「小さなギンガム柄というアイデアを大きく膨らませ、シルエットも誇張しました」

Photo: Alyssa Arminio

アーカイブのデザインをいかに合理化し、モダンで現代的な感覚にするかに注力したという。「ケープは作らず、デコルテを強調したトップスにしました。デザインのプロセスで好きなことのひとつが、セレンディピティ、そしてフィッティングによって、必ずしも最初に意図していなかった場所に連れて行ってもらえることです。袖は肌見せができるようになっています。ネックラインも当初よりさらに下げました」

豪華さと退廃を表現したベール。

Photo: Alyssa Arminio

ヘッドピースは、2013年の「Punk: Chaos to Couture(パンク:カオスからクチュールまで)」をテーマにした壮大なモヒカンをはじめ、これまでサラのために多くのデザインを手がけてきたフィリップ・トレイシーに特注。「このベールは、ギルディッド・エイジの豪華さと退廃にインスピレーションを受けて作りました。サラ・ジェシカは、いつもインスピレーションを与えてくれます。彼女は帽子とファッションが大好きで、どんなテーマを提示されても、それを受け入れることを決して恐れません」とトレイシーは語る。ロジャーズも「長い間、尊敬してきた人のドレスを作る機会を得て光栄です。 このような瞬間に立ち会えることさえ、謙虚な気持ちです!」と喜びを明かした。