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グザヴィエ・ドラン、「美しき天才」と称される映画界の新星。

今、映画界から確実に世界に浸透している、ひとつの才能。映画監督であり、俳優、プロデューサーとしても活躍し、さらにはゲイだとカミングアウトしたことでも話題になったばかり、カナダ出身弱冠25歳のグザヴィエ・ドラン。監督を務めた作品は次々と映画祭にて賞賛の声を浴び、そしてスクリーンで魅せる圧倒的な存在感に誰もが虜になる。生まれ持った才能と美しさは、彼ならではのストーリーテリング力によって更に色濃く投影され、その魅力は一瞬たりとも見逃せない!

ファッション界でも注目の的。カール・ラガーフェルドとの2ショットを発見!

Photos: Getty Images

映画監督としては2008年にデビューしたグザヴィエ・ドランだが、俳優としてのキャリアは6歳からスタート。こどものころから数多くのテレビドラマや映画への出演歴があるだけに、メディアへの露出も見逃せない。最近はというと、9月に開催された2015春夏プレタポルテコレクションのショー会場のフロントロウにてグザヴィエをキャッチ。「モンクレール ・ガムルージュ」ではオリヴィア・パレルモと、「シャネル」の会場では同ブランドのミューズも務めたこともあり、映画「シャネル&ストラヴィンスキー」でココ・シャネル役を演じた女優のアンナ・ムグラリスとともに。さらには、「シャネル」のショーを終えたばかりのデザイナー、カール・ラガーフェルドとの貴重な2ショットも!ドレスシャツをモノトーンコーディネートでさらりと佇まむ、さすがの着こなし。

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今秋公開の最新作「トム・アット・ザ・ファーム」では、新たな作風に挑戦。

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日本の映画ファンを一気に魅了した前作「わたしはロランス」から2年ぶりとなる第4作目となる最新作「トム・アット・ザ・ファーム」が、10月25日(土)より全国にて順次公開となる。これまでグザヴィエ・ドランが手がけた3作品は、本人が「はからずも」と付け加えているものの、“かなわぬ愛”がテーマになっている。しかし最新作は方向性が一変し、カナダ・ケベック州在住の劇作家ミシェル・マルク・ブシャールの同名戯曲を映画化した。恋人のギョームを亡くし、悲しみに暮れるグザヴィエ演じる主人公トムが、故郷での葬儀に向かう際にさまざまな事実に直面し、徐々に静かに狂っていく日常。それは“息の詰まるような愛のサイコ・サスペンス”と称され、第67回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞。危うい人間の関係性や感情を美しい映像と音楽で引き立てた話題の最新作、いち早くスクリーンで堪能したい。ブロンドヘアのグザヴィエにも注目!

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「トム・アット・ザ・ファーム」
2014年10月25日(土)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷アップリンクほか、全国順次公開。

ゲイであることをカミングアウト。実体験も作品の重要なエッセンスに。

Photos by Instagram/@xavierdolan/Xavier Dolan

グザヴィエ・ドランの作品の多くに特徴づけられる、ゲイやトランスジェンダーというキーワード。彼自身も自分がゲイであることをすでに公表しており、作品「マイ・マザー/青春の傷口」は実体験をもとに脚本を書き、主演監督を務めたことでも知られている。また、10月初旬には、フランスで行われた同性婚反対デモ「全ての人のための抗議運動」について、「デモによって優しさ、愛といった考えが侵害されている。フランスは遅れている」と出演したラジオ番組でも強い抗議を示していたそう。こういったアイデンティティへの強い意志も、グザヴィエ・ドランという人間の重要なピースなのだろう。公式のインスタグラム(@xavierdolan)では、#youcouldtell(写真からゲイってわかるでしょ?)というカミングアウトと取れるハッシュタグ付きで、こどもの頃の写真を公開。すでにデビュー後の写真とも見られる、とびきりキュートな幼きグザヴィエは必見♪

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国際映画祭で最も愛される若手監督の、華麗なる受賞歴をチェック。

Photos: AP/AFLO

映画監督グザヴィエ・ドランの才能は、当然国際映画祭のお墨付き。2009年には「マイ・マザー/青春の傷口」は、カンヌ国際映画祭の監督週間部門で3冠を達成し、処女作にして30カ国以上で劇場公開された。以降、ロッテルダム、イスタンブール、バンクーバーをはじめ、世界中の国際映画祭で数々の賞を受賞している。特にカンヌでの快挙はめざましく、レッドカーペットの常連!? 第2作目の「胸騒ぎの恋人」は第63回カンヌ国際映画祭のある視点部門でプレミア上映され、シドニー映画祭の公式コンペティション部門で大賞を受賞。そして、第3作目「私はロランス」も第65回同映画祭のある視点部門に選ばれ、主人公の恋人役が優秀女優賞を受賞。さらには間もなく公開の最新作もすでに第67回同映画祭コンペティション部門にて、ジャン=リュック・ゴダール監督の作品とともに、審査員特別賞を受賞! この華麗なる活躍ぶりに当然世界が放っておくわけはありません。

Text: Mana Soda Editor: Makiko Yoshida