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伝説のエンジェル──輝くベテランモデルたち。【ヴィクトリアズ・シークレット2018】

11月8日(現地時間)に、ヴィクトリアズ・シークレット(VICTORIA'S SECRET)2018が終了。今年も多くのモデルたちが、セクシーな衣装を纏ってショーを盛り上げた。中でも、引退を発表したアドリアナ・リマによるラストキャットウォークは、感動的だった。タイラ・バンクスやアレッサンドラ・アンブロジオなど、今までのヴィクシーの歴史に燦然と輝いてきた唯一無二のベテラン・エンジェルたちの偉業を、改めて振り返ろう。 >>今年のヴィクトリアズ・シークレットの詳細はこちら!

エンジェルになるということ。

今年で引退を表明したアドリアナ・リマ。感極まった様子に、会場も胸打たれた。

ヴィクトリアズ・シークレット(VICTORIA'S SECRET)の壮大なランウェイは、トップモデルにとっても、その後のキャリアを左右する重要なイベントだ。彼女たちにしてみれば、自らの「ウィング」を獲得することは、ただランウェイを歩くのとはまったく次元の異なる目標だからだ。新人だけでなく、目標を果たせぬまま去っていく名だたるスーパーモデルもいる厳しい世界において、エンジェルたちにとっての最大の名誉は、羽で飾られたウィングを「繰り返し」身に纏うことなのだ。

約20年間にわたってヴィクシー・エンジェルを務めてきたアドリアナ・リマが、ついに引退を発表した。今回のラストショーでは白のルックに身を包み、感無量の表情でフィナーレの前のトリを飾って皆を感動させた。

昨年は、リマと同じく長きにわたってヴィクシーで活躍していたアレッサンドラ・アンブロジオが引退。エンジェルになると、ショーが終わってからも世界を飛び回り、ブランドを代表するモデルとして多忙を極める。ショーのオープニングやクロージングを飾るチャンスにも恵まれ、さらには、非常に貴重で高価な「ファンタジーブラ」を身に着けられる可能性も。「ファンタジーブラ」が初めて制作された2014年には、リマとアンブロジオが、それぞれルビーやダイヤモンドで彩られた1点200万ドル(約2億2千万円)のピースを纏った。

ベテランたちにとってのヴィクシー。

かつてのエンジェルであるハイディ・クルムジゼル・ブンチェンは、二人の出演回数を合わせて19回ものショーに華を添えたのち、2000年代に、次の世代へとウィングを受け継いだ。1996年から9回連続でランウェイを歩いたベテラン・エンジェルのタイラ・バンクスは、1998年に初のウィングを着用し、2度にわたってファンタジーブラを任された。2005年、ショーの開催前にモデル業から引退することを発表し、活躍の場をテレビに移した。ハイディもまた、1999年から2010年という長い契約期間を経て、テレビ業界にさらなる飛躍のチャンスを求めた。

タイラ・バンクス。

一度はショーから姿を消したものの、再び舞台にカムバックしたベテラン・エンジェルもいる。 2007年から出演していたベハティ・プリンスルーは、妊娠を機に最近のショーを2度欠席したが、今年遂に復帰する。アドリアナ・リマも、2009年に妊娠した際、1年間休業した。11回ものショーに出演し、2016年に第1子出産のため休業していたキャンディス・スワンポールは、その後、無事復帰を果たしている。

2009年のデビューから連続出演していたリリー・オルドリッジは、第2子妊娠中のため今年のショーは欠席。一方、 2000年にヴィクシーデビューを果たしたカロリナ・クルコヴァは、長男の誕生から1年後の2010年に、新しい活躍の場を求めて完全に卒業した。

新人とベテラン、それぞれにとって大きな意味を持つヴィクトリアズ・シークレットのショー。アドリアナ・リマはじめ、モデルたちの思いが、今年のショーにも込められていた。

Photos: Getty Images Text: Ellen Burney