「カンポ(CAMPO)」は、100%オーガニックでデザイン性の高いワンランク上のナイトウェアブランドとして、2020年にマイアミで設立。ブランド名は、ポルトガル語で「フィールド」という言葉に由来する。モノトーンやベージュといった定番カラーをメインとし、シンプルながらフリルやギャザーを施した“パジャマ”には見えないデザインが特徴だ。
ブラジル人デザイナーのシンシア・ボニ・コルディオーリは、これまでファッションフォトグラファーのケネス・ウィラードやスタイリストのサラ・ゴア・リーブスとともに、ジョルジオ アルマーニ、マーク ジェイコブスをはじめ、ニューヨーク市で最も影響力のある女性たちをモデルとしたキャンペーンを手掛けるなど、ファッション業界で実績を積んできた。
「長年ファッションの仕事に携わり、いつか自分のブランドを立ち上げたいと思っていました。ナイトウェアはアパレル業界においてメインのカテゴリーではないけれど、そういったニッチな市場で何かを構築したかったのです」とシンシアは語る。
そんな彼女が手がけるアイテムは、ショッピングに行く時でさえ、違和感なく着ることができるデザイン性だという。
「アメリカでは、快適さと美しさを兼ね揃えたパジャマを見つけるのはとても難しいんです。アイテムと言えば、ランジェリー、シルクのパジャマ、スウェットパンツといった一般的なナイトウェアがほとんど。そういった背景から、ルームウェアとしても、ゲストを迎える時にも適しているラグジュアリーなパジャマを作りたいと考えました」
カンポのナイトウェアは、就寝時だけでなく、部屋でくつろいだり、日常生活が快適に送れるように考え抜いた工夫が多く施されている。例えば、ショートスリーブとショーツの2ピースセット“BIANCA PAJAMA SET”は、薄手で繊細なオーガニックコットンのシャンブレーを使用。素材の柔らかさを活かし、黒のパイピングを施すことによって袖に立体感が生まれ、裾はドレスのように広がっている。また、大きく開いたVネックは、夏の夜を快適に過ごせる上に、身体のラインが美しく見える効果があり、胸もとに寄せたギャザーやパフスリーブはブラウスにもなるリュクスなデザインが魅力だ。
使用している生地は全て、オーガニック・テキスタイルの世界基準であるGlobal Organic Textiles Standard (GOTS) 認定を受けているという。さらに、天然の植物ベース染料、もしくは無化学染料のみで染色され、不要となった生地のデッドストックは、可能な限り、衣類としてアップサイクルを行っているとのこと。また、生産は全てマイアミで行い、地元の工場で働く女性職人たちの雇用をサポート。輸送によって排出される二酸化炭素を削減するため、アメリカ全土や海外への出荷も意図的に減らしコントロールしている。
「ブランドを立ち上げる際、製品を世に送り出すことに責任を持ちたいと思いました。コレクションはシーズンレスで展開し、長く着てもらえるようなタイムレスなパジャマ作りを心掛けています」
ステイホームが当たり前となった今、肌に優しくて着心地が良く、デザイン性に優れたルームウェアは、もはやなくてはならないワードローブだ。新たなファッションの楽しみ方を与えてくれるクリエーションにこれからも期待したい。
https://www.campocollection.com/
Photos: Courtesy of Campo Text: Kana Miyazawa Editor: Mayumi Numao