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気鋭ハットデザイナーのスティーブン・ジョーンズは過去に、多くのデザイナーとコラボコレクションを発表している。現在はディオール(DIOR)のメンズウェアでキム・ジョーンズと、ウィメンズのクルーズコレクションでマリア・グラツィア・キウリと共同でハットデザインに励んでいる。著名なデザイナーとコラボコレクションの傍ら、彼はロンドンのコヴェント・ガーデンにあるアトリエで、自身のブランドのクチュールコレクションを製作している。最新コレクションは新型コロナウイルスの影響で進行に遅れが生じ、デザインの着想からスケッチ、トワルでのサンプルにいたるまで、いかにして作品を制作すべきか、ということが課題になった。
US版『VOGUE』のZoom取材に対し、スティーブンは「オンラインはすべてが正常に稼働している。だから、何か特別なことをしたかった。中でも、デジタル上でファッションをもっとも上手に表現しているのがヌーヌーリ(@noonoouri)だ」と語った。バーチャル・インフルエンサーであるヌーヌーリは、ミュンヘンを拠点に活動するグラフィックデザイナー、ヨルグ・ツバーの作品だ。ヨルグはスティーブンからコラボレーションを提案されるとすぐに了承した。
「このプロジェクトは新しいしやりがいがある。通常はドレスや帽子のルックブックを見て、それをヌーヌーリの身体に合わせます。今回の場合、スケッチやトワルモデル、そしてスティーブンのイメージはあったけれど、実際のアイテムはない。このプロジェクトで難しかったのは、実際には存在しないものを、あるものとして感じさせることでした」
スティーブンは「実際、ヌーヌーリは私が生み出すデザインにとても影響を与えてくれたよ。それが私がキャリアを通してやってきたことだからね。私は特定の人々のために帽子を作り始めたのだから」と付け加えた。
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スティーブンとヨルグが制作したのは、ヌーヌーリが主役となるバーチャルなクチュールコレクション。彼女がモデルを務めたコレクションのルックはロンドンファッションウィークのウェブサイトで発表され、同プラットフォームにて動画も配信中だ。
動画を見れば、スティーブンがアナログで作り出したデザインを、ヨルグがハイレベルなデジタルクリエイティブ技術でどのようにして映像化したことが見ることができる。このコレクションは帽子を被る理由が変化していることを暗示している。オンライン会議の増加により、画面映えするアイテムへのニーズが高まった。この変化はどのように今後のハットデザインに影響するのだろうか? スティーブンにデジタル化によって、帽子の存在は変化するかと質問したところ、彼はZoom画面の横からカンカン帽を取り出した。
「デジタル化が進んでも帽子はずっと存在する。画面越しのコミュニケーションが主流になっても、足で会話するわけじゃないからね」
Text: Luke Leitch
From VOGUE.COM
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