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新たなスタートには、特別な感慨がつきものです。人生という名のノートの新たなページをめくり、真っ白な紙にペンを走らせる──スマートフォンでメモを取る人がほとんどとなった今では、一昔前を思わせるメタファーではありますが、言いたいことはわかっていただけるはずです!
そのスマホで聴く音楽と言えば、TWICEがヘビーローテーション入りしている、という人も多いでしょう。そんな熱烈なファンのみなさんが、新たなプレイリストを用意すべきタイミングがやってきました! K-POP界でスーパースターの地位を築いたTWICEのモモ、サナ、ミナの3人による新たな挑戦の結晶として、新曲のリリースが決定。3人は今月号に初登場しています。私たちはソウルに飛び、一日をともに過ごしましたが、その姿は誰もが想像する通り、スイートで美しさにあふれていました。セットではセルフィーを撮り、撮影の合間には現場に置かれた大画面で写真映りをチェックします。撮影では、今季のコレクションのベストアイテムをチョイス。シャープなフォルムやムードたっぷりのジュエルトーンも相まって、TWICEで見せる顔とはまったく違ったルックが完成しました。さらにインタビューでは、キャリアのターニングポイントを迎えた3人が、アイデンティティや、今後の計画について語ってくれました。彼女たちの未来は明るい、そう断言できるインタビューも必読です。
ところでこの撮影でモモがまとったのは日本のブランド、フェティコ(FETICO)のランジェリーにインスパイアされたブラックのピース。デザイナーの舟山瑛美が手がける2023春夏コレクションも、フェティシズムがほのかに感じられる肌見せが実に印象に残りました。日本人デザイナーによる、女性の体への新たな目線をプレゼンテーションしたと言えるでしょう。実はこのコレクションの模様を伝えた舟山さんへのインタビュー記事は22年、VOGUE JAPANのウェブサイトでも最大級のヒットとなりました──これは23年はもっと自分を見せたい、というみなさんの気持ちの表れなのかもしれません。今月号では、こうした新しいボディイメージにもスポットライトを当てました。人工物と血の通った肉体をクロスオーバーさせたスタイルは、才能あふれる新鋭デザイナーの共通言語にもなっているようです。これはハードなものとソフトなもののダイナミズムでできているこの世界のありようとも通じますね。
一方、こちらも大きなターニングポイントを迎えたのが、続々と新たなクリエイティブ・ディレクターを迎えたレガシーブランドです。フレッシュな名前が著名ブランドの舵取り役として名を連ね、デビューコレクションが披露されました。その多くが、伝統的な価値観が今でも根強いイタリアのブランド。ということでミラノ・ファッションウィークは特に胸が躍るものになりました。そしてパリでは、オフホワイト(OFF-WHITE)を率いることになったスーパースター・スタイリスト、イブ(イブラヒム)・カマラが初めてのショーを披露。こちらは、急逝のニュースが世界を駆けめぐって1年が経つ、誰もが愛したデザイナー、ヴァージル・アブローの後任という重責を担ってのデビューとなりました。
そしてデビューコレクションでバーバリー(BURBERRY)をひっくり返す勢いなのが、新任のチーフ・クリエイティブ・オフィサー、ダニエル・リーです。彼のもとでこの老舗英国ブランドがどこへ向かうのか、今回のVOGUE JAPAN向けのスニークプレビューでその一端が明かされました。これらの新しい動きからわかるのは、名の知れたブランドが、こぞって新たな賭けに乗り出したということ。そこから生まれるピースには、心機一転を図るあなたの心に響くものもあるでしょう。
内面を見つめ直したいと願っているならば、ジェニファー・ロペスとアンジェラ・バセットという、偉大なディーヴァふたりのアドバイスが胸に響くことでしょう。50年以上の人生経験からしか生まれない言葉の数々は、「さすが!」とうならされるものばかりです。また、シンガーソングライターのフィービー・ブリジャーズの言葉に強く共感する人も多いでしょう。#MeTooやミソジニーに対する彼女の明快な言葉から、きっとあなたも力を得られるはずです。
春は再生のシーズン。でも私は、生まれ変わるチャンスは毎日あると考えたいです。本誌の196ページをめくるころには、きっとあなたも今すぐにでも新しい花を咲かせたい! という気分でいっぱいになっている──そう期待しています。
Text: Tiffany Godoy Translation: Tomoko Nagasawa