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小松菜奈がシャネルのショーの顔に! 創業者ガブリエルが愛したカメリアの花がテーマ【2023-24年秋冬 パリコレ速報】

3月7日(現地時間)にパリで発表されたシャネル(CHANEL)の2023-24年秋冬コレクション。小松菜奈が今シーズンの世界観を体現する女性像を演じて話題を集め、ランウェイにはメゾンを象徴する永遠のコード、カメリアの花が咲き乱れた。

小松菜奈の姿はティザー動画や招待状にも

Photo: Courtesy of Chanel, Inez & Vinoodh

ティザー動画にも、招待状にもメゾンのアンバサダーを務める小松菜奈の姿があった。ブランド創業者、ガブリエル シャネルのお気に入りの花カメリアと共に、1960年代風の黒いアイラインが効いたメイクで撮影されている。写真家デュオのイネス & ヴィノードが手がけたようだ。

会場であるグランパレ エフェメ―ルに入ると、巨大なスクリーンで小松菜奈出演のムービーが上映されていた。先シーズンコレクションの象徴としてクリステン・スチュワートが掲げられていたが、それと同様の存在のようだ。トップメゾンのショーで日本人がここまで大きく取り上げられるとは、本当に驚くべきことだ。

Photo: Courtesy of Chanel

客席には一輪ずつ白いカメリアの生花が置いてあり、ランウェイの中央には巨大なオブジェが。今季はカメリアも重要な存在であることがわかる。

Photo: Courtesy of Chanel

Photo: Courtesy of Chanel

音楽が鳴り、チェック柄とカメリアモチーフが融合したツイードのコートを身に纏ったモデルが登場。すると中央の巨大なカメリアに小松菜奈の顔が映し出され、力強い眼差しを私たちに投げかけてくる。

カメリアはポケット、ジャケット、ボタン、そしてプリントに用いられ、水玉のような模様も3Dのカメリアで構成されている。そしてバミューダショーツやアシンメトリーなデザイン、1960〜70年代のムードを感じさせるルックも。

フィナーレでアーティスティック ディレクター、ヴィルジニー ヴィアールが挨拶に姿を現すと、ファーストロウに座っていた小松菜奈のもとへ。ハグを交わしショーが終わった。

ショーの前に公開されたムービーは、映画監督兼写真家ウィリアム・クラインによる映画『ポリー・マグーお前は誰だ』(1966)が着想源。本作はパリに住む若いアメリカ人モデルが主人公だったが、今回は「パリに住む、軽快で自由な精神を持った日本人女性のイメージ」にしたようだ。終始シュールでミステリアスなムードが漂う。

セリフはなく表情や動きのみなのだが、思わず見入ってしまう表現力があった。テーマとなったカメリアはメゾンを象徴するエレガントな花。それに共鳴する気品や優雅さを感じさせた。

多様性が叫ばれているとはいえ、目鼻立ちがくっきりとしていてスタイルが良い欧米人にコンプレックスを持っているアジアの人々はいまだに多いだろう。そんな中、日本出身の小松菜奈がショーの主役に抜擢され、その個性が改めて美として定義された。彼女の才能や努力ゆえに実現したすばらしい出来事は、小松菜奈の名を世界に轟かせると同時に、アジア人たちが出自をポジティブに捉えるきっかけともなりうるに違いない。

※シャネルの2023-24年秋冬コレクションをすべて見る。

Photos: GoRunway.com   Text: Itoi Kuriyama