パリメンズファッションウィーク期間中にあたる1月21日(土)、Nigoによるケンゾー(KENZO)のショーが発表。ファーストルックに抜擢されたモデルのUTAの一日に密着した。ファッションウィークならではの、分刻みのスケジュールの合間に撮影したプライベート動画とともに紹介しよう。
10:00 朝のウォーキングから、一本目のショーへ
毎日がお祭り騒ぎのファッションウィークも、朝方は比較的落ち着いた様子。滞在先から、この日一本目のミハラヤスヒロのショー会場に向かう。
「今回の滞在先は、リパブリック広場の近くのホテル。パリの事務所に近いので、この辺りを選ぶことが多いです。マレ地区からもほど近く、エネルギッシュなのが魅力的なこのエリアですが、ストライキに巻き込まれると災難です」(UTA)
16:30 ケンゾーのショー会場に到着、休むまもなくヘアメイクスタート
今シーズン、ショー会場に用いられたのは8区のコンサートホール、サル・プレイエル。バックステージに入り、早速ヘアメイクスタート。ヘアメイクは、ロンドンを拠点にするルーシー・ブリッジのチームが手掛けた。
「ファッションウィーク中の食事は、基本的にフルーツと野菜、コーヒー。ただし、ケンゾーのバックステージで用意されていたケータリングの、アボカドチリベーグルの魅力には抗えませんでした」(UTA)
17:30 日本人モデルの友人と、バックステージでセイハロー
バックステージで、友人のモデルYURAを見つけてセイハロー。今シーズンは日本人モデルも多数登場したが、ライバルの活躍を見てUTAはどう感じるのだろう。
「パリに初挑戦したのが2018年のこと。当時はアジア系のメンズモデルは、全体比で見れば決して多くなく、中でも日本人モデルは数えるほどでした。ただ感覚的には、2020年あたりから特に日本人勢の活躍が目覚ましい気がします。普段ゲストとしてショーを鑑賞することもあるのですが、ランウェイ一筋で戦っているモデルを見ると、自分も負けていられないと大いに刺激を受けます」(UTA)
18:30 リハーサルで突如ファーストルックであることを聞かされ
今回ショーのオープニングを飾ったUTA。実はリハーサルまでそのことを聞かされていなかったという。
「 本番数日前のパリでのショーキャスティングで初めてNIGOさんとお会いしたのですが、実際に出演が叶うという知らせを受けた時はとても嬉しかったです。そして当日を迎え、リハーサルの直前に、NIGOさんが後ろからやってきて肩越しに『オープニング、よろしくね』と一言。驚きと感動、緊張が入り混じる中、はやる気持ちを抑えてステージに足を踏み出しました」(UTA)
20:30 ショー開幕、フロントローには憧れのあの人が
緊張の本番。UTAが着用したのは、着物の羽織りのようなラペルデザインが特徴的なベージュのジャケットのセットアップ。プリーツをあしらったワイドレッグのトラウザーズが、歩くたびにドラマティックな動きを見せる。
「ショー本番は、言葉で言い表せないほどの高揚感に包まれます。フロントローを見ると、大好きなラッパーのファレルやコダック・ブラックの姿が見えて、思わずチラ見。バケットハットを被っていたので、バレてないといいのですが」(UTA)
22:00 アフターパーティースタート、次の日も早いので夜更かしは大敵
ショーが終わると、会場はネオンライトに包まれそのままアフターパーティーに。リル・ベイビーのパフォーマンスが会場を熱気の渦で包み込む。
「今回のショーは、今まで出演した中でも断トツで規模が大きく、終始圧倒されっぱなしでした。パリコレは毎回真剣勝負で、なかなか思うようにチャンスを手にできず悔しい思いをしたシーズンもあったので、今回のショーは自分にとってもかけがえのない体験となりました」(UTA)
UTA Instagram @utauuu

Text: Shunsuke Okabe