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心を浄化する、わたしの愛自転車。(Mina Oba)

もともと週末は自粛生活だったのか? と思うほど、休日の過ごし方はここ数年変化していない。たしかに、家にいる時間は増え、人との交流が減ってしまったのは寂しい。しかし近場の散歩やサイクリングが趣味なので、週末は自宅のある鎌倉市内から出ることなく自然の中で過ごしている。こうした楽しみを支えてくれている、私の愛車ならぬ“愛自転車”を紹介したい。

自転車に乗っていると、どこまでも行ける気がする。子どものころから自転車に対するこのワクワクとした気持ちは変わらない。変わったのは、自転車がかっこよくなったこと。そして、電動アシストがついたことだ。

見た目に惚れて買ったマイバイク「TOWNIE®GO!」は、性能も乗り心地も優秀だ。ドイツBOSCH社製のモーターユニットを搭載しており、踏み込むとグンッと走り出すアシストのパワーに感動する。我が家は長い坂を登ったところに位置するので、この快適性を知ってしまったらもう辞められない。また、マットブラックでシックな質感に、ビーチクルーザーのよさでもある太めなタイヤと頑丈なフレームが少しレトロでかわいい。

ちなみに、ビーチクルーザーとはサーファーがサーフボードを海まで運ぶために使う自転車のことだそう。私はサーフィンをしたことがないが、サーフボードを自転車に取り付けて颯爽と走り去っていく小麦肌の女性に憧れる。

週末は早起きな娘と海沿いをサイクリングし、少し水遊びをして昼前に一旦帰宅するのがルーティン。自転車を漕ぎながら風を感じると、自然と新鮮な空気が胸いっぱいに広がる。学生時代を京都で過ごした私は、ジリジリとした夏の日差しを気持ちいいと思えたことがなかったが、今は太陽が好きだ。そう思えたのも、自転車のおかげかも知れない。

自転車が連れて行ってくれるのは、海だけじゃない。豊かな自然の中に佇む、寺社仏閣へ行くことも好きだ。静寂が支配するかのような空間でありつつ、「いらっしゃい」と静かに木々が語りかけてくれているような心地よさに、何度も足を運びたくなるのだ。私の好きな場所の一つである瑞泉寺は、風情のある苔むした石段が並び、生い茂った木々のトンネルが続く。本堂に着くと、庭園が広がっており、娘は裸足で駆け回り、アリやてんとう虫を見つけるなどして遊ばせてもらっている。

また、思わずゆっくりと休憩してしまうのが、海蔵寺。寺にたどり着くまでの道のりにもカエデやモミジなどたくさんの木々が植えられており、着く前から異空間が続く。初めて行ったのは、大型連休真っ只中の日だったのだが、駅からは少し離れた場所に位置するためか観光客は少なく、近くに住んでいるであろうおじいさんやおばあさんが、お弁当箱を広げて寺の縁側でお昼を楽しそうに食べていた。真似して、縁側に上がってみたら、心地の良い風が通った。思わず目をつむって横になりたくなる。

週末は自転車に乗って、ちょっと足を伸ばしてみては。トンネルを抜けると、癒やしの空間が待っているかも。