紹介した商品を購入すると、売上の一部が VOGUE JAPAN に還元されることがあります。
ファッションを長期的な投資と考え、時代を超えて大切に愛されるようなモノづくりを掲げているVOGUEの公式アパレルライン「VOGUE Collection」。これまでに発売してきた商品には、サステナブルな素材であるオーガニックコットンを積極的に採用してきた。「VOGUE Collection」のアイテムを楽しむ上で是非知っておいてほしい、オーガニックコットンの基本から、コットンとの違い、選ぶべき理由までをお届けする。
オーガニックコットンとは?
各国の有機農法の基準により、環境や生物に影響をおよぼす農薬や化学物質をおおよそ3年以上使用しない農地で有機栽培されたコットンのことを「オーガニックコットン」という。
オーガニックコットンはサステナブル?
オーガニックコットンがサステナブルだと言われる理由はいくつかあるが、水の使用量が少ない、除草剤や殺虫剤、化学肥料などを使用しないので地球に優しい、温室効果ガスの排出量が少ないなどが挙げられる。従来の綿の栽培方法で作られたTシャツには、1枚に約2700リットルもの水が生産過程で使用されているが、オーガニックの場合はこれを約243リットル程度にまで抑えることができるそうだ。また、コットンの栽培では、化学肥料や防カビ剤、殺虫剤、除草剤、落葉剤などが大量に使用されており、世界で使われている農薬全体の6%が綿の栽培に使われているという。これは地球環境への影響だけでなく、働く人たちの健康にも影響を及ぼしている。
本当にオーガニック? 問題視される生産背景の透明性
サステナビリティへの関心の高まりを受けて、オーガニックコットンを積極的に採用する企業やブランドは増えている。その一方で、2020年10月には、コットンの生産量1位を誇るインドの一部で、オーガニック認証の不正行為が発覚したり、生産農家の貧困問題、農薬の使用による健康被害など、生産過程での深刻な問題も起きている。
このような問題が起こる中、消費者が店に並んでいる商品だけを見て、安心安全のオーガニックコットンなのかを見極めるのは難しい場合も多い。だからこそ、ブランドや生産者は信頼のおけるサプライヤーから綿花を調達するなど、責任のあるモノづくりが求められている。
VOGUEの公式アパレルライン「VOGUE Collection」のメイド・イン・ジャパンシリーズ「VOGUE BASICS」では、豊島株式会社が手がけるトルコ産のトレーサブルなオーガニックコットン「TRUECOTTON」を採用している。この素材の強みを、豊島株式会社の田中哲平さんはこう語る。
「コットンの生産・栽培の方法によっては、どこの農場の誰が作ったのかというのが見えにくいものも少なくありません。その点、TURECOTTONはトルコのウチャクという企業とパートナーシップ契約を結び、農場から紡績まで一括で管理しています。そのため、どこの誰が作った綿花なのかが、一目瞭然なんです。こういったオーガニックコットンはまだ世界で少なく、TRUCOTTONの強みですね。スーパーに行くと、農家さんの顔写真や名前が書かれた野菜が売られているのをよく目にすると思います。私たちもそのような感覚で、作っている人たちの顔が見えるものづくりを大切にしています」
TextileExchange MarketReport2022によれば、オーガニックコットンの国別生産量が最も多いのはインドで38%、次いで「TRUECOTTON」の生産地でもあるトルコが24%で2位となっている。では、「TRUECOTTON」にはどんな特徴があるのだろうか。
「TRUECOTTONの農地があるトルコのイズミル地方は夏は暖かく、年間を通して適度に雨が降り、オーガニックの綿花栽培に適した気候です。また、広大な土地で大量に生産する大規模農場が多いため、機械で収穫を行います。それがそのままジーニング工場に運ばれ、綿花から種子を取り除く作業をし、紡績工場に運ばれていきます。機械摘みで一括管理されているため、圧倒的に夾雑物が少ないというアドバンテージがありますね」
「循環型」の仕組みづくり
無駄を生まない「循環型」の仕組みづくりを目指すファッション業界。消費者としては、服を購入する際に、着なくなってしまったその後についても考えた購買を心がけたい。例えば、「VOGUE Collection」ではオーガニックコットン100%の素材を使用しているが、ポリエステルやアクリル、ナイロンなどの合成繊維がミックスされていない生地の方が、リサイクルもしやすいという。
「TRUECOTTON」を手がける豊島株式会社では、ファッションの川上から川下まで携わっている強みを生かし、衣類を回収して再生させる「WAMEGURI」というプロジェクトも行なっている。着なくなってしまった服は捨てるのではなく、こういった衣類回収スキームを上手く活用して、循環の輪を繋げていくことが大切だ。
オーガニックコットン生産においての課題
サステナビリティへの関心の高まりから、オーガニックコットンを選ぶブランドや消費者は増えているが、課題もあるという。「オーガニックコットンの生産量は、2021年時点の前年比で31%増加していますが、コットン全体の中でのオーガニックの割合は、わずか約1%程度に留まっています。従来のコットンに比べて値段が高いのが理由の1つですが、生産量を増やすことができれば、価格を抑えることもできます」
オーガニックコットンを選択することは、コットン生産に関わる人々の暮らしや、綿花を育てる大地の環境を守ることにも繋がる。「VOGUE Collection」を通して、着る人だけでなく、作る人にもやさしいオーガニックコットンという選択肢をより身近に感じてもらいたい。
「VOGUE Collection」のオンラインストアでは、「TRUECOTTON」を100%使用したアイテムを販販売中。気になるアイテムの詳細や、その他の商品のラインナップは公式オンラインストアからチェックして。
商品の購入は「VOGUE Collection」の公式オンラインストアをチェック。
【商品に関するお問い合わせ】
「VOGUE Collection」カスタマーサービス:shop@condenast.jp
受付時間:平日11時~17時
Editor: Sakura Karugane