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スタイリストが私物を大公開!2022年、本当に買ってよかったマイ・ベスト・アイテム8【ファッションプロの週間コーデ予報/濱本愛弓編】

2022年最後の回は、スタイリストの濱本さんが今年買ってよかったアイテムを大公開!トレンドのクロップド丈トップから、長く愛せるベーシックアイテムまで、彼女らしさが光るモードなセレクトをお見逃しなく。
スタイリストが私物を大公開!2022年、本当に買ってよかったマイ・ベスト・アイテム8【ファッションプロの週間コーデ予報/濱本愛弓編】

編集O 今週は2022年最後ということで、特別編としてこの1年に濱本さんが買って良かったものの話をお伺いしたいです。

濱本 少し前にお話したジュエリー系を含め既にご紹介したものも多いのですが、今改めて振り返ってみたいと思います。

編集O よろしくお願いします。

ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)2022-23年秋冬メンズコレクションより。Photo: Courtesy of Dries Van Noten

濱本 まずは自分の定番、キラキラ系のアイテムから。ドリス ヴァン ノッテンDRIES VAN NOTEN)のスパンコールのパンツは2022-23年秋冬コレクションのランウェイで一目惚れして購入したもの。色はブラックにしました。メンズですが、ジェンダーレスなテーマということもあり、自分で着るイメージがすぐに膨らみました。

編集O 確かにキラキラといえば濱本さんのイメージがあります! メンズアイテムということで大きめの作りだとは思うのですが、どうやってコーディネートしているのでしょうか?

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濱本 そのまま履いてもかわいいのですが、ウエストのドローコードを生かしてレイヤードスタイルで取り入れています。ハイウエストのショートパンツなどを見せたり、あえてフルレングスのデニムを合わせてみたり。

編集O フルレングスのパンツの重ね履きは新鮮ですね。

濱本 着こなしに変化をつけたい人には、オススメのテクニックです。防寒性もあるので冬のおしゃれにもピッタリかと。

思い切って購入したスターアイテムとは

編集O 私は濱本さんのインスタをチェックするのが日課なのですが、よく登場するレオパードのコートもすごく気になっていました。こちらも2022年の購入品ですか?

濱本 はい。ジル・サンダーJIL SANDER)のプレフォールコレクションのものですごくお気に入りです。一生ものだと思って思い切って購入したのですが、軽くて着やすいし、とにかく合わせやすのでつい手にとってしまいます。

編集O 幅広いシーズンで使える軽めアウターに投資するというのは、すごく賢いアイデアですね。購入の決め手は実用性ですか?

ジル・サンダー(JIL SANDER)2022-23年秋冬コレクションより。Photo: Courtesy of Jil Sander

濱本 他にはないディテールに惹かれました。レオパード柄は元々好きなのですが、このコートは柔らいニュアンスがあって素敵だなと。ランウェイ写真を見るともう少し伝わると思うのですが、実は素材がすごく凝っていて、コットンに特殊な加工でツヤがプラスされているんです。こういうブランドの色やこだわりが感じられるようなアイテムを見つけるとときめきますね。

編集O 素敵です。そして2022年の濱本さんといえば、デニムの登場率も高かった。印象に残っているアイテムはありますか?

濱本 アライアALAÏA)のフレアデニムです。

編集O これは私も欲しかったアイテムです!展示会で見たときから気になっていました。

濱本 はい。まさに私も一目惚れしました。でもデニムにしてはかなりの高額商品だったので結構悩んでいたんです。自分の欲しいサイズも日本にはなかったので、これは縁がなかったのかな…と思いネットサーフィンをしていたら、少しだけ安くなっているベストサイズを見つけて……。これは運命だ! と思い即買いました(笑)。

編集O 本当に美しいシルエットですよね、惚れ惚れします。

濱本 ありがとうございます。膝までがタイトなのですが、ジャストで履いた方がきれいに見えると思ったので小さめのサイズにしました。これだけのフレアシルエットなので、実は階段が昇りにくいなどの弱点もあるのですが(笑)、唯一無二のデザインですごく価値があると思ったので、買ったことに後悔はしていません。履いていると褒められることが多いので、いつまでも素敵に履きこなせるようにプロポーションを保ちたいなと、気合が入るようなアイテムでもあります。

着こなしに変化をプラスするエッジィなデザインが決め手

編集O 「買ってよかったアイテム」企画は、トレンド性だけではなく、その人の個性や好きなものが色濃く出てくるのが興味深いです。

濱本 確かに。そういう意味でいくと、このメゾン マルジェラMAISON MARGIELA) のコルセットボディスーツもすごく自分らしいアイテムだと思っています。コレクションで一目惚れしたものの、グレーが日本未入荷ということでとにかく探し回りました。

編集O ツイード素材というのが珍しいですね!

濱本 そうなんですよ。しかもサイドとバックスタイルがかなり大胆に開いているデザインということもあり、「これは私のためのアイテムだ!」と思いました(笑)。一枚で着るというよりはレイヤードすることが多いですね。キラキラのブローチなどをプラスしてアレンジを楽しんだりもします。

編集O かわいいですね! この企画を担当していると、物欲との戦いになると毎回ゲストの方から言われるのですが、濱本さんもそうですか?

濱本 そうなんですよ。一番最初のテーマだったバレエシューズの回で、モデルのマリアカルラが履いていたキラキラのバレエシューズが気になってしまって……実はあの後に調べて買ったんですよ。

編集O まさにこのアイテムでしたね。どちらのものなんでしょうか?

濱本 アライア(ALAÏA)です。普段ヒール派なのでバレエシューズを取り入れたコーディネートのバリエーションはまだ研究中なのですが、新しいスタイリングの可能性を広げてくれそう。持ち運びできるので、旅行時にも活躍してくれそうです。

トレンドに関係なく活躍するマイベーシック

編集O 毎シーズンアップデートするようなアイテムはありますか?

濱本 必ずというわけではないのですが、30代に突入してからはコム デ ギャルソンCOMME des GARÇONS)の黒ジャケットは定期的にデザイン違いで購入しています。大人になってからは、背伸びせず取り入れられるようになった気がしています。日本のブランドなのでサイズ感もいいんですよね。今年は切りっぱなしになったショートデザインを購入しました。

編集O 濱本さんはよくクロップド丈を着用されていますよね。

濱本 元々好きなアイテムなのですが今年はトレンドだったこともあり、いつもより着ていた気がします。スタイルアップして見えるので便利ですよ。

ヴァケラVAQUERA)のデニムジャケットも同じく大活躍でした。

編集O デニム素材も使いやすそう。ヴァケラといえば、以前黒のショートジャケットも着用されていましたよね?

濱本 そうです。元々その黒のジャケットをドーバー ストリート マーケット ギンザで購入したのですがあまりに便利すぎたので、デニム素材も欲しくなって追加で購入したんです。デニム素材は日本で取り扱いがなかったのでネットで購入しました。

編集O 両方とも肩がしっかりしているデザインですね。

濱本 肩がしっかりしていてクロップド丈というバランスが好きなんです。自分にとってのベーシックなので来年も引き続き着ると思います!

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編集O 最後に読者にもオススメのアイテムもあれば教えてください!

濱本 アディダスADIDAS)のカットソーなどはいかがでしょうか。最近バレンシアガBALENCIAGA)とのコラボなどで注目を集めていますが、オリジナルレーベルでも使えるアイテムがたくさんあります。

編集O こんなにモードな感じで着こなせるんですね。

濱本 実際に店舗に行っていろんなアイテムをチェックしたみたのですが、使えるアイテムの宝庫でびっくりしました。パンツなども持っています。プライスも控えめで、機能性にも優れているので今の時期に書いたしでも損はしないと思います。最近のスポーツブランドアイテムはすごく洗練されているので、大人にもぜひチェックしていただきたいですね。今回は持って来れなかったのですが、アディダスでは他にニットなども購入しました。

編集O 早速チェックしてみます。そして今年もありがとうございました。来年もさらにパワーアップした濱本さんのファッション講座楽しみにしています!

濱本 年末年始にチャージして帰ってきたいと思います。ありがとうございました!

Profile
濱本愛弓
VOGUEをはじめモード誌をベースに活動。スタイリスト業と並行してブランドのディレクション業やコラボレーションでも多忙を極める。生粋のファッションラバーで、自身のモードな着こなしも話題の的。

Text: Asa Takeuchi Editor: Kyoko Osawa