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完売必至!スタイリストが狙う、秋の大本命「白タンクトップ」とは?【ファッションプロの週間コーデ予報/一ツ山佳子編】

秋冬のランウェイで断トツ注目を集めていたのが、白のタンクトップ。夏の定番だけれど、今年はシーズンを超えて長く楽しむことができそうだ。今回は買うべきブランドから素材選びまで、一ツ山さんがモードに着こなす方法を伝授。今すぐ取り入れられるイットアイテムをお見逃しなく!
コーデ コーディネート タンクトップコーデ

編集O ファッション界では徐々に秋冬シーズンに移行していますが、まだまだ暑い日が続きますし、日常では涼しい格好で過ごしたいですよね。そんな今の時期にマッチするのがタンクトップなのかな、と思い今週のテーマにしました。

プラダ(PRADA)2022年秋冬コレクションより。Photo: Alessandro Lucioni / Gorunway.com

一ツ山 秋冬シーズンのランウェイではプラダPRADA)をはじめ、多数見かけましたよね。「白のタンクトップ」というのが今年ならではの大きなポイントだと思います。そしてアイテム的には今の時期にぴったりですよね。私は元々袖のないデザインが好きなので、思い切り楽しみたいと思っています。

ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)2022年秋冬コレクションより。Photo: Alessandro Lucioni / Imaxtree / Courtesy of Bottega Veneta

クロエ(CHLOÉ)2022年秋冬コレクションより。Photo: Filippo Fior / Gorunway.com

編集O ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)クロエ(CHLOÉ)でも登場していましたね。私は興味はあるものの、一枚で着るのは心もとない感じがして、うまく取り入れられないんです。でも、挑戦するなら今年かなと思っています!

一ツ山 絶対に二の腕を出したくないという人には難しいアイテムですが、そうでない人は選び方やコーディネート次第だと思うので、トライすべきですよ!

編集O ランウェイを見ていると、袖のカットが内側に入った感じのものが多い印象的でしたが、ともすれば逞しい人になってしまいそうじゃないですか?

一ツ山 潔く腕を出すことで、逆説的に細く見えるというパターンもあるのかなと思いますが、確かに肩がしっかりしている人だとちょっと難しいかもしれないですね。体型によって合う合わないというのはどうしても出てくるので、タンクトップのデザインは自分に合うものを見つけて楽しむのが一番だと思います。

編集O なるほど。ここからぜひいろいろお話を聞かせてください!

失敗しない大人のタンクトップ選びのポイントとは。

Photo: Edward Berthelot / Getty Images

編集O まずは大人が失敗しないタンクトップ選びのポイントを教えてください。

一ツ山 大きなポイントは2つ。まずはある程度の厚みがあるしっかりした上質な素材を選ぶこと。そして脇肉を拾わないorカバーしてくれるカットラインのきれいなデザインを吟味すること。個人的に、大人は二の腕より脇の見え方を気にした方がスタイリッシュに着こなせると思います。

Photo: Edward Berthelot / Getty Images

トレンドという意味では白に注目ですが、一枚で着る今の時期だったら締まって見えるブラックも取り入れやすいですよね。この彼女のようにスラックスと組み合わせる感じもすごくリアルなお手本だと思います。

編集O 脇の見え方というのは盲点でした。そして素材感はすごく大事ですよね。

Photo: Melodie Jeng / Getty Images

モデルがよく着ているテロっとした感じのタンクトップは、彼女たちにはすごく似合っていますが、自分たちに置き換えると厳しいですよね。ある程度のきちんと素材の厚みがあった方が安心というか。

一ツ山 そうです、まさに。そういう意味でもメゾンが出しているようなタンクトップは間違いないですし、コットンに限らずニット的な素材になってもいいですよね。

編集O 素材選びでも個性が別れそう。私は黒のタンクトップがすごく気になってきました。下着も透けにくいし、一枚でも不安になることなく着られそう。

今年らしさを叶えるコーデのポイントはメリハリ作りにあり。

Photo: Edward Berthelot / Getty Images

編集O 続いてコーディネートのポイントも教えていただきたいです。気になっている黒のタンクトップのスナップを見ていたら、フォトグラファーのタミュ・マクファーソンが素敵だなと思ったのですがスカート合わせはどうでしょうか?

一ツ山 すごくいいと思います。タミュもそうですが、タンクトップがコンパクトなのでボトムスにはボリュームを持たせるとバランスが取りやすいですし、今っぽい感じが出ますよ。

Photo: Edward Berthelot / Getty Images

よりトレンド感を重視するなら、ローライズという選択肢もありますが、スタイルに自信がある人でないとハードルが高いので、そこはボリュームボトムスという大きい括りで考えていいと思います。

編集O メリハリが強調されることで、着やせ効果にも期待できそうですね。一ツ山さんがオススメのボトムはありますか?

一ツ山 先ほどのスナップにも登場していましたが、きれいめな印象のハーフパンツだったり、タックパンツなどは大人でも違和感なく取り入れられておすすめです。秋になったらプラスしてジャケットを合わせたコーディネートもいいですよね。

Photo: Rachpoot/Bauer-Griffin / Getty Images

あとはもう少しカジュアルなムードを求めるなら、ヘイリー・ビーバーのようなパラシュートパンツもかわいいと思います。ヘイリーはクロップド丈のタンクトップを合わせていますが、普通の丈でも問題ないです。

編集O スナップを見ていると、わりとノーアクセサリーの人が多かったのですが、それもトレンドなのでしょうか?

一ツ山 個人的にはアクセサリーとの組み合わせはオススメです。タンクトップ一枚で雰囲気を出すのってかなり難しいことだと思うので、そこはぜひアクセサリーの力を借りてもいいのかなと思います。大ぶりのピアスやバングルは定番ですし、華奢なネックレスをレイヤードしてもかわいいのではないでしょうか。

編集O すごく参考になります!

今シーズン買うべきタンクトップをまとめてチェック。

ロエベ(LOEWE)2022年春夏コレクションより。Photo: Filippo Fior / Gorunway.com

編集O その他に一ツ山さんが気になっている、または大人にオススメのタンクトップはありますか?

一ツ山 これから個人的に狙っているのは、最初にご紹介したプラダ(PRADA)。あとは春夏コレクションのロエベLOEWE)もコーディネート含め好きですね。日本のブランドで探すならハイクHYKE)やキャバン(CABAN)のように、ベーシックなアイテムに定評があるところで探すのもオススメ。今年だったら肌見せできるようなデザイン系で遊ぶのもいいと思います。スナップでも上手に取り入れている人がいました。彼女は着こなし含めすごくいいですよね。

Photo: Edward Berthelot / Getty Images

編集O こんなさりげない肌見せデザインだったら、大人でも取り入れられそうですね。少し話がそれますがタンクトップってインナー選びも重要じゃないですか? ストラップレスのブラなどが必要ですよね。

一ツ山 確かに日本ではまだノーブラが浸透していないので、気を遣いますよね。私はブラのストラップをあえて見せたりするのも全然ありだと思います。それこそ黒のタンクと黒のブラの組み合わせなどは自分でもします。

編集O   最近よく見かけるカップ付きのタンクトップというのはどうなんでしょうか?

一ツ山 今年はカップ付きタンクの当たり年と言ってもいいぐらい、いろんなブランドから出ているのでいいと思いますよ。

編集O 具体的にオススメのブランドはありますか?

一ツ山 ファッション性を重視するなら、セレクトショップのオリジナルをチェックしてみては。各社個性が出ているので、比較してみるのも楽しいと思います。

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バストをきれいに見せたいという人にはジーユー(GU)、そしてジュンコカトウ×ラヴィジュール(JUNKO KATOH×RAVIJOUR)も実際に試してみて良かったです。

編集O 早速チェックしてみたいと思います!

一ツ山さんのタンクトップスタイルをご紹介。

ランウェイに出た時からチェックしていたロエベ(LOEWE)のタンクトップですが、この夏すごく活躍してくれています。首もとの空きもちょうどよく、腕や気になる脇の部分がきれいに見えるデザインがお気に入り。どんなボトムスに合わせてもキマるのでついつい手に取ってしまいます。今年はゴツ過ぎないチェーンネックレスの重ね付けを楽しみたい気分なので、ノウハウ(KNOWHOW)のネックレスをプラスしてみました。イヤリングも含めシルバーで統一して涼しげに。ベーシックなタイプを手に入れたので、次は肌見せができるカットアウトデザインも欲しいなと思っています。

まだまだ暑い日は続きそうですが、来月になったら少しずつジャケットなどを合わせたスタイルも楽しみたいですね。白タンクトップは秋のマストアイテムでもあるので、ぜひ今のうちにお気に入りの一枚を見つけて長く楽しんでください。

Profile
一ツ山佳子
VOGUEをはじめエディトリアルや広告、トップアーティストのスタイリングなど幅広い分野で活動。2014年にファッションコンサルティング&プロダクションカンパニー「SLITS Inc.」を設立し、ブランドのアドバイザーや商品開発などディレクション業でも多忙を極める。

Text: Asa Takeuchi Editor: Kyoko Osawa