編集O 今週はこの秋冬、注目を集めているネクタイをテーマにしました。今みたいな時期は、スタイリングに変化がつく小物があるとすごく使えそうですよね。
濱本 今シーズンはひとつ持っておくべきアイテムだと思います。そういえば本誌最新号のエディターズ・レターでティファニー・ゴドイさんもネクタイコーデを披露していましたよね! ネクタイがあるだけですごく新鮮な印象ですし、デニムと合わせるバランスもすごくおしゃれ。ロングベルトでひと癖つけている感じもさすがです。
編集O おっしゃる通りネクタイがあるとないのでかなり印象が違ってきますよね。濱本さんも今日つけていてすごくお似合いです。後ほどスナップさせてください!
濱本 ありがとうございます。マニッシュなスタイルはずっと好きなのですが、ネクタイをデイリーでも取り入れるようになったのはわりと最近なんですよ。
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編集O たしかにスナップでも今までよりも多く見かけるようになった気がします。私もモードなネクタイ術をマスターしたいので宜しくお願いします!
ブルゾン&オーバーサイズのボトムス合わせが攻略への近道
編集O 今シーズンのネクタイの火付け役といえばやっぱりルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)ですよね。レトロだけどすごく今っぽく感じました。
濱本 ネクタイ=正装というイメージが強いので今までだったらジャケットなどに合わせがちでしたが、あえてブルゾンを合わせてキマり過ぎない感じが今っぽいですよね。スナップでも早速取り入れている人がいて素敵だな、と気になりました!
編集O メゾンの完成されたスタイルも素敵ですが、アイテム単体だったり雰囲気を追求していくと手持ちのアイテムやヴンテージでも再現できそうなスタイリングですよね?
このカミーユ・シャリエールを見てそう思いました。彼女は全身ルイ・ヴィトンのようですがベーシックさもあるのですごく再現しやすそう。
濱本 旬のスタイリングにするなら全身ヴィンテージではなくアップデートされた新しいアイテムも取り入れたいところですが、Oさんがおっしゃる通り、手持ちアイテムなどに合わせるのはすごくいいアイデアだと思います! ベーシックなアイテムに合わせやすいのもネクタイの魅力ですよね。
編集O スタイリングで抑えておきたいポイントはありますか?
濱本 今年らしくコーディネートするならボトムス選びは重要です。オーバーサイズのパンツやロングスカートを合わせるのがオススメ。デニムなども◎。野暮ったくならないためにボトムスは最新アイテムを合わせると失敗しにくいですね。
キマり過ぎて見えないように抜け感を意識することもポイント
編集O ネクタイを取り入れるうえでの注意点も抑えておきたいです。
濱本 スナップを見ているとかわいい! と目が止まりがちですが、制服のようなスタイルとネクタイの組み合わせを私たちがそのまま真似するのは難しいのかなと思います。キャラクターにもよりますが、ちょっと衣装っぽく見えてしまう危険がありますよね。
そして私個人として好きなスタイルなのですが、ベラ・ハディッドのようにレザーロングコートを合わせたキメキメスタイルも敬遠されがちかもしれませんね。コートの前を開ける、黒ではない色を取り入れるなど抜け感を加えることで、かなり取り入れやすくはなるのですが。
編集O 2つとも上級スタイルということですよね。確かにコスチュームっぽく見えるのはちょっと避けたいというのが本音です。
個人的にはジジ・ハディッドのようなトラッドなスタイルもともすればハマり過ぎて難しいのかなという印象もありますが。
濱本 それこそジジをお手本にすると良さそうですね。パンツのオーバーシルエットもさすがですし、小物使いも上手。太めのネクタイは私も今注目しています。
編集O ネクタイは太めの方がオススメですか?
濱本 個人的には太めにトライした気分ですが、アクセサリーの延長線で取り入れられるような細身のものも素敵だと思います。このスナップの彼女のようなイメージだったら誰でも真似しやすいのではないでしょうか。
濱本さんのネクタイ・ミューズのスナップをチェック
編集O 濱本さんの好きなネクタイスタイルについてお話を聞きたいです。
濱本 はい。先ほど私がデイリーにネクタイを取り入れるようになったのがわりと最近という話をしたのですが、そのきっかけとなったミューズ的な存在がいるんです。
ソフィア・スタインバーグというモデルさんなのですが、私服でスーツとネクタイをよく取り入れていてすごく素敵なんですよ。トレンドではなく自分のスタイルとして確立している感じもまた憧れます。実はボブヘアにしたのも彼女の影響なんですよね(笑)。
編集O すごくタイムリーな話題でしたね! ソフィアのスタイル遍歴を見ていると、確かに何年も前からネクタイをよくつけている印象があります。
濱本 彼女はどちらかといえばカッチリとしたスタイリングが多いのですが、とにかくバランスがいいですよね。モノトーンベースにポイントでカラーや柄を効かせたり、素材で変化をつけるテクニックはすごくお手本になると思います。
編集O これから狙っているアイテムや注目していものはありますか?
濱本 欲しいのはプラダ(PRADA)のトライアングルプレートがついたシンプルなタイ。アクセサリー感覚で取り入れられるデザインがいいなと思いました。あとはルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)で今季打ち出しているようなスカーフっぽいデザイン。リボンのように巻いたりアレンジが楽しめるのでこちらもひとつ持っておくと便利そうだなと。レザーだったり千鳥格子などのプリント系など遊びのあるデザインもいいですよね。今シーズンはたくさん買ってしまいそうです(笑)。
編集O お話を聞いていたら私も欲しくなってきました。まずは細身のシンプルなタイプから挑戦してみたいと思います!
濱本さんのネクタイスタイルをご紹介
今日は王道のシンプルな黒のネクタイを取り入れたスタイリングをご紹介します。ベストはドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)、シャツはノワール ケイ ニノミヤ(NOIR KEI NINOMIYA)、スカートはヨー ビオトープ ランジェリー(Ё BIOTOP LINGERIE)、バッグはルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)、パンプスはセルジオ ロッシ(SERGIO ROSSI)。ネクタイはザラ(ZARA)で見つけた掘り出しものです。上半身はトラッドな感じにしつつ、ロングスカートやエッジの効いた小物合わせで大人のバランスをイメージしました。もうちょっと遊びたい気分の時はネクタイにキラキラのブローチをプラスしたりすることも。ネクタイをつけることでいつもの着こなしがすごく新鮮なムードに変わるので、ぜひ皆さんもトライしてみてください!
Profile
濱本愛弓
VOGUEをはじめモード誌をベースに活動。スタイリスト業と並行してブランドのディレクション業やコラボレーションでも多忙を極める。生粋のファッションラバーで、自身のモードな着こなしも話題の的。
Text: Asa Takeuchi Editor: Kyoko Osawa