
2024年、セレブたちを夢中にさせたフィービー ファイロ。ザ・ロウに並ぶ、人気の「知る人ぞ知る」ブランド
リアーナ、ケンダル・ジェンナー、クロエ・セヴィニーなど、ハリウッドでも着実にファンを増やしているフィービー ファイロ(PHOEBE PHILO)。ローンチから1年あまり。見るものを静かに惹きつけるピースは、セレブスタイルの定番になりつつある。
フィービー・ファイロが2023年10月に自身の名を冠したブランドをローンチすると、ファッションシーンはたちまち歓喜の渦に包まれた。それもそのはず。2017年にセリーヌ(CELINE)を去って以来、次の動向について沈黙を貫いたファイロの復活を、ファンは5年以上も待ち焦がれていたのだ。彼女がクロエ(CHLOÉ)やセリーヌのクリエイティブ・ディレクターとして手がけたエレガントかつモダンな服の数々は、今なお気品あるスタイルのお手本であり続けている。そしてフィービー ファイロ(PHOEBE PHILO)として展開した初のコレクションは即座に完売。ラグジュアリー感あるコート、艶やかなシルクのトップ、個性豊かなフォルムのシューズなどを巡って、たちまち争奪戦が繰り広げられた。
以来、彼女は密かに、そして堅実に新作を発表してきた。大々的なアナウンスやPR活動は一切なし。それでも、ファイロが作るピースは、ファッショニスタはもちろん、ハリウッドのセレブたちの間でも大きな反響を呼んでいる。さりげなくクールなデザインはイベントやレッドカーペットなどで静かな存在感を放ち、ひとたび纏えば、エフォートレスで洗練されたスタイルを演出してくれる。それゆえ支持が高く、ここ1年でヘイリー・ビーバー、リアーナ、ケンダル・ジェンナー、クロエ・セヴィニーなどが新作にいち早く身を包んだ。シルクサテンのハイネックブラウスやアシンメトリーのドレープはセレブたちに特に人気で、ビーバーはアイボリーのドレスを妊娠中に着用。ゆったりとなびくシルエットはマタニティルックにぴったりで、言うまでもなくシック。リンダ・エヴァンジェリスタがドキュメンタリー『ザ・スーパーモデル』の試写会で披露したチョコレートブラウンのセットアップも、カジュアルでありながらエレガントな逸品だ。
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ほかにもスーツやアウターウェアがセレブには評判のよう。ファイロのシグネチャーであるメンズライクなボックスシルエットを基盤に製作されるアウターは、どんなルックにも絶妙な力強さプラスしてくれる。リアーナがつい先日纏ったロングのレザートレンチコートも、4月にケンダル・ジェンナーが着用したオリーブ色のダブルブレストスーツもその好例だが、最も印象的だったのはクロエ・セヴィニーが身につけたボンバージャケット。レザーで作られた1着はラッフルスカートと一体型のデザインで、クラシックなドレスとは違う気品が漂う、タフでエッジの効いたレッドカーペットルックとなった。
煌びやかなガウンが物を言うハリウッドで、ファイロの落ち着いたピースは逆に際立つ。ささやきかけるようなしとやかな魅力を漂わせたピースは、早くもセレブたちのコーデの秘密兵器となりつつある。依然としてザ・ロウ(THE ROW)やケイト(KHAITE)といった、同じように「知る人ぞ知る、上質なブランド」も人気だが、2024年はまさにフィービー ファイロの年だったと言える。次は誰が纏うことになるだろう。